第三者評価/CNS第三者評価推進室 【東京都福祉サービス第三者評価機関】

第三者評価研究所の事務局であるCNSが東京都の第三者評価機関となりました。効果的な評価を実施します。保育園、障害(入所、通所)、高齢,介護施設など気軽にお問い合わせください。info@cnsi.co.jp

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第三者評価 保育士の専門性

保育士の専門性

1.子どもの発達に関する専門的知識をもとに子どもの育ちを見通し、その成長・発達を援助する技術(発達援助の技術)

2.子どもの発達過程や意欲を踏まえ、子ども自らが生活していく力を細やかに助ける生活援助の知識・技術(生活援助の技術)

3.保育所内外の空間や物的環境、様々な遊具や素材、自然環境や人的環境を活かし、保育の環境を構成していく技術(環境構成の技術)

4.子どもの経験や興味・関心を踏まえ、様々な遊びを豊かに展開していくための知識・技術(遊びの展開の技術)

5.子どもの同士の関わりや子どもと保護者のかかわりなどを見守り、その気持ちに寄り添いながら適宜必要な援助をしていく関係構築の知識・技術(人間関係構築の技術)

子どもの保育及び保護者への保育指導(児童福祉法18条の4)
6.保護者等への相談・助言に関する知識・技術




無料研修 伝わるコミュニケーション講座を行います。

是非来てください。

新たな自分と出会えます。

参加方法は、直接鎌取カルチャーに電話して聞いてみて下さい。

場所は、鎌取カルチャーセンター(JR外房線 鎌取駅から1分)ゆみーる鎌取イオン5階会議室

TEL: 0120-304-222  043-226-9300

講座日時 平成23年5月30日13時~14時45分

講座:伝わるコミュニケーション無料体験講習会

講師:伊集院昭彦


今まで参加したことのない気づきや納得と楽しい体験があると思います。


是非気軽に参加してみてください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
理念 ソーシャルインクルージョン「善き社会のために」
第三者評価推進室 Our Vision 
第三者評価を通じて利用者本位の福祉社会の実現に貢献する
株式会社CNS【東京都認証評価機関 認証番号 機構09-188】
代表取締役 伊集院昭彦
≪ 人づくり大学 “JINGAKU” 主宰 ≫
人づくり大学の大学とは四書五経の『大学』を指しています
MAIL: ijuin@cnsi.co.jp
TEL : 043-205-6651  FAX : 043-205-6652
株式会社CNSホームページ http://www.cnsi.co.jp/
第三者評価推進室ブログhttp://cns16.blog88.fc2.com/
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第三者評価 保育の専門性

実務遂行能力開発コース

主任保育士研修

千葉県自治研修センター
研修生募集のお知らせ

千葉県自治研修センターでは、主任保育士研修を下記のとおり行います。
この研修では、次世代育成や児童虐待など保育所に求められる役割がますます重要性を増す中、保育所長を補佐し、適正な保育所の管理運営をする能力を修得することを目指しています。
多くの皆様のご参加をお待ちしています!!

第1次 平成23年6月 2日(木)・3日(金)7日(火)・8日(水) 4日間
第2次 平成23年6月14日(火)~17日(金) 4日間

対象:保育所長を補佐する職にある主任保育士

カリキュラム

科目:保育行政をとりまく諸問題
概要:保育所の設置状況、待機児童の状況、認定こども園
講師:千葉県健康福祉部児童家庭課

科目:これからの保育のあり方とリーダーシップ
概要:保育ニーズへの対応、保育士の専門、組織とリーダーシップ、保育の展開
講師:株式会社CNS 伊集院昭彦


科目:食育と保育所の役割
概要:食育、食育基本法、栄養教諭制度、安全、衛生
講師:千葉県立保健医療大学栄養学科 教授 渡 邊 智 子

科目:児童虐待
概要:新世紀ちば健康プラン、児童虐待の現状、母子保健事業、保育所の役割
講師:外部講師

科目:保育所における事故防止・安全保育
概要:子どもの事故の実態、事故防止・安全指導、事故発生時・後の対応、保健・衛生管理等
講師:産業技術総合研修所デジタルヒューマン研究センター 桂 札 逸 美

科目:子育て支援のあり方
概要:地域子育て支援センター、子育て支援の実践に向けた主任保育士の役割
講師:千葉市

科目:子どもと保護者へのカウンセリング
概要:子ども問題行動、子どもの情緒発達と遊び、保護者への支援、保護者を育てる
講師:聖徳大学児童学科 准教授 沢 崎 真 史

科目:ちょっと気になる子どもたち
概要:ちょっと気になる子どもへの対応方法、発達障害の基礎知識
講師:千葉県発達障害者支援センターCAS

問合せ先 ・所属団体の職員研修担当課
・自治研修センター(Tel 043-231-8701、URL http://www.ctv-chiba.or.jp/jichi/ )

PDF案内
http://www.ctv-chiba.or.jp/jichi/pdf/hoikusi01.pdf

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TEL: 0120-304-222  043-226-9300

講座日時 平成23年5月30日13時~14時45分

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第三者評価 保育所の留意点 保育指針の理解

保育所保育指針の理解は保育所を第三者評価する場合には不可欠であるためポイントを押さえておく必要があります。

保育所保育指針を紹介します。

第1章 総則
 保育所は、児童福祉法に基づき保育に欠ける乳幼児を保育することを目的とする児童福祉施設である。
 したがって、保育所における保育は、ここに入所する乳幼児の最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしいものでなければならない。
 保育所は、乳幼児が、生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごすところである。保育所における保育の基本は、家庭や地域社会と連携を図り、保護者の協力の下に家庭養育の補完を行い、子どもが健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境を用意し、自己を十分に発揮しながら活動できるようにすることにより、健全な心身の発達を図るところにある。
 そのために、養護と教育が一体となって、豊かな人間性を持った子どもを育成するところに保育所における保育の特性がある。
 また、子どもを取り巻く環境の変化に対応して、保育所には地域における子育て支援のために、乳幼児などの保育に関する相談に応じ、助言するなどの社会的役割も必要となってきている。
 このような理念や状況に基づき、保育を展開するに当たって必要な基本的事項をあげれば次のとおりである。



1 保育の原理
(1)保育の目標
 子どもは豊かに伸びていく可能性をそのうちに秘めている。その子どもが、現在を最もよく生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うことが保育の目標である。
 このため、保育は次の諸事項を目指して行う。
ア 十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中で子どもの様々な欲求を適切に満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。
イ 健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や態度を養い、心身の健康の基礎を培うこと。
ウ 人との関わりの中で、人に対する愛情と信頼感、そして人権を大切にする心を育てるとともに、自主、協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培うこと。
エ 自然や社会の事象についての興味や関心を育て、それらに対する豊かな心情や思考力の基礎を培うこと。
オ 生活の中で、言葉への興味や関心を育て、喜んで話したり、聞いたりする態度や豊かな言葉を養うこと。
カ 様々な体験を通して、豊かな感性を育て、創造性の芽生えを培うこと。


(2)保育の方法
 保育においては、保育士の言動が子どもに大きな影響を与える。したがって、保育士は常に研修などを通して、自ら、人間性と専門性の向上に努める必要がある。また、倫理観に裏付けられた知性と技術を備え、豊かな感性と愛情を持って、一人一人の子どもに関わらなければならない。
 このため、保育は、次の諸事項に留意し、第3章から第10章に示すねらいが達成されるようにする。
ア 一人一人の子どもの置かれている状態及び家庭、地域社会における生活の実態を把握するとともに、子どもを温かく受容し、適切な保護、世話を行い、子どもが安定感と信頼感を持って活動できるようにすること。
イ 子どもの発達について理解し、子ども一人一人の特性に応じ、生きる喜びと困難な状況への対処する力を育てることを基本とし、発達の課題に配慮して保育すること。
ウ 子どもの生活のリズムを大切にし、自己活動を重視しながら、生活の流れを安定し、かつ、調和のとれたものにすること。特に、入所時の保育に当たっては、できるだけ個別的な対応を行うことによって子どもが安定感を得られるように努め、次第に主体的に集団に適応できるように配慮するとともに、既に入所している子どもに不安や動揺を与えないように配慮すること。
エ 子どもが自発的、意欲的に関われるような環境の構成と、そこにおける子どもの主体的な活動を大切にし、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように遊びを通して総合的に保育を行うこと。
オ 一人一人の子どもの活動を大切にしながら、子ども相互の関係づくりや集団活動を効果あるものにするように援助すること。
カ 子どもの人権に十分配慮するとともに、文化の違いを認め、互いに尊重する心を育てるようにすること。
キ 子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別による固定的な役割分業意識を植え付けることのないように配慮すること。
ク 子どもに、身体的苦痛を与え、人格を辱めることなどがないようにすること。
ケ 保育に当たり知り得た子どもなどに関する秘密は、正当な理由なく漏らすことがないようにすること。


(3)保育の環境
 保育の環境には、保育士や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、さらには、自然や社会の事象などがある。そして、人、物、場が相互に関連し合って、子どもに一つの環境状況をつくり出す。
 こうした環境により、子どもの生活が安定し、活動が豊かなものとなるように、計画的に環境を構成し、工夫して保育することが大切である。
 保育所の施設、屋外遊戯場は、子どもの活動が豊かに展開されるためにふさわしい広さを持ち、遊具・用具その他の素材などを整え、それらが十分に活用されるように配慮する。施設では、採光、換気、保温、清潔など環境保健の向上に努め、特に、危険の防止と災害時における安全の確保について十分に配慮する。また、午睡・休息が必要に応じて行えるようにする。保育室は、子どもにとって家庭的な親しみとくつろぎの場となるとともに、いきいきと活動ができる場となるように配慮する。
 さらに、自然や社会の事象への関心を高めるように、それらを取り入れた環境をつくることに配慮する。



2 保育の内容構成の基本方針

(1)ねらい及び内容
 保育の内容は、「ねらい」及び「内容」から構成される。
 「ねらい」は、保育の目標をより具体化したものである。これは、子どもが保育所において安定した生活と充実した活動ができるようにするために、「保育士が行わなければならない事項」及び子どもの自発的、主体的な活動を保育士が援助することにより、「子どもが身につけることが望まれる心情、意欲、態度などを示した事項」である。
 「内容」は、これらのねらいを達成するために、子どもの状況に応じて保育士が適切に行うべき基礎的な事項及び保育士が援助する事項を子どもの発達の側面から示したものである。
 内容のうち、子どもが保育所で安定した生活を送るために必要な基礎的な事項、すなわち、生命の保持及び情緒の安定に関わる事項は全年齢について示してあるが、特に、3歳以上児の各年齢の内容においては、これらを[基礎的事項]としてまとめて示してある。また、保育士が援助して子どもが身に付けることが望まれる事項について発達の側面から以下の領域が設けられている。心身の健康に関する領域である「健康」、人との関わりに関する領域である「人間関係」、身近な環境との関わりに関する領域である「環境」、言葉の獲得に関する領域である「言葉」及び感性と表現に関する領域である「表現」の5領域を設定して示してあるが、この5領域は、3歳末満児については、その発達の特性からみて各領域を明確に区分することが困難な面が多いので、5領域に配慮しながら、基礎的な事項とともに一括して示してある。なお、保育は、具体的には子どもの活動を通して展開されるものであるので、その活動は一つの領域だけに限られるものではなく、領域の間で相互に関連を持ちながら総合的に展開していくものである。
 保育の内容の発達過程区分については、6か月末満児、6か月から1歳3か月末満児、1歳3か月から2歳末満児、さらに2歳児から6歳児までは1年ごとに設定し、それぞれのねらいと内容を第3章から第10章に示してある。
なお、発達過程の区分による保育内容は組やグループ全員の均一的な発達の基準としてみるのではなく、一人一人の乳幼児の発達過程として理解することが大切である。


(2)保育の計画
 保育の計画は、全体的な計画と具体的な計画について作成する必要があり、その作成に当たっては柔軟で発展的なものとなるように留意することが重要である。
 全体的な計画は、「保育計画」とし、入所している子ども及び家庭の状況や保護者の意向、地域の実態を考慮し、それぞれの保育所に適したものとなるように作成するものとする。
 また、保育計画は、保育の目標とそれを具体化した各年齢ごとのねらいと内容で構成され、さらに、それらが各年齢を通じて一貫性のあるものとする必要がある。
 また、保育計画に基づいて保育を展開するために、具体的な計画として、「指導計画」を作成するものとする。
 さらに、家庭や地域社会の変化に伴って生じる多様な保育需要に対しては、地域や保育所の特性を考慮して柔軟な保育の計画を作成し、適切に対応することが必要である。保育の計画を踏まえて保育が適切に進められているかどうかを把握し、次の保育の資料とするため、保育の経過や結果を記録し、自己の保育を評価し反省することに努めることが必要である。



第2章 子どもの発達
 乳幼児期は子どもの心身の発育・発達が著しく、また、基礎が形成される。しかし、一人一人の子どもの個人差は大きいため、保育に当たっては、発達の過程や生活環境など子どもの発達の全体的な姿を把握しながら行う必要がある。



1 子どもと大人との関係
 子どもは、身体的にも精神的にも未熟な状態で生まれ、大人に保護され、養育される。その際、大人と子どもの相互作用が十分に行われることによって、将来に向けての望ましい発育・発達を続け、人間として必要な事柄を身につけることができる。中でも重要なことは、人への信頼感と自己の主体性を形成することであり、それは、愛情豊かで思慮深い大人の保護・世話などの活動を通じた大人と子どもの相互関係の中で培われる。子どもは、大人によって生命を守られ、愛され、信頼されることによって、自分も大人を愛し、信頼していくようになる。大人との相互作用によって情緒的に安定し、大人の期待に自ら応えようという気持ちが育ち、次第に主体的に活動するようになり、さらに、きょうだいを始め周囲の者に対して関心を持ち、関わりを広め、増やしながら、自我が芽生えてくる。
 このように発達初期に自分の行動を認めてくれる大人と相互関係を持つことにより、その後の一層の発達が促される。子どもは自発的に身近な事物や出来事に興味や関心を示して働きかけたり、積極的に特定の大人との関係をつくろうとするなど、自分の気持ちを明確に表現し、自分の意思で何かをするようになる。
 このようにして、自分が主体となって選択し、決定して行動するという自己の能動性に自信を持つようになり、言葉や思考力、自己統制力を発達させていく。



2 子ども自身の発達
 子どもの発達は、子どもと子どもを取り巻く環境内の人や自然、事物、出来事などとの相互作用の結果として進んでいく。
 その際、そこに主体的に関わっている子ども自身の力を認めることが大切である。すなわち、発達とは、子どもが心身の自然な成長に伴い、それぞれの子どもに応じた自発的、能動的な興味、好奇心や、それまでに身につけてきた知識、能力を基にして、生活環境内の対象へ働きかけ、その対象との相互作用の一結果として、新たな態度や知識、能力を身につけていく過程である。
 特に、中心となることは人との相互作用である。子どもは、乳幼児期を通じて、大人との交流、応答や大人から理解されることを求め、自分が大人に理解されたように自分からも大人を理解しようとする。この大人との関係を土台として、次第に他の子どもとの間でも相互に働きかけ、社会的相互作用を行うようになる。
 このような大人との相互作用とは違って、自分とよく似た視点を持つ他の子どもとの間で行われる社会的相互作用は、子どもの情緒的、社会的、道徳的な発達のみならず、知的発達にとっても不可欠な体験である。
 子どもが思考力をはじめとした多くの能力を発達させるために必要な論理の展開も、子ども同士の社会的相互作用なしには経験し得ない。すなわち、自分の考えを相手に理解してもらいたいという気持ちを持ったり、相手に説明しようという気持ちを持つのも、仲間との社会的相互作用によるからである。また、大人との上下の関係とは違う横の対等の関係の中で、自己主張や自己抑制の必要性や方法を学び取っていく。
 また、子どもは、その生理的・身体的な諸条件や養育環境の違いによって、その発達の進み方や現れ方が異なってくることを認識することが重要である。



3 子どもの生活と発達の援助
 子どもの発達は、子どもとその環境内の対象との相互作用を通してなされるものであり、子どもの発達を促すためには、大人の側からの働きかけばかりでなく、子どもからの自発的、能動的な働きかけが行われるようにすることが必要である。
 したがって、保育所においては、一人一人の子どもが、安心して生活ができ、また、発達に応じた適切な刺激と援助が与えられることにより、能動的、意欲的に活動ができるような環境が構成されなければならない。
 このため家庭や地域と連携を持った安定した子どもの生活と、子どもをありのままに見て、それを深く理解して受容しようとする保育士との信頼関係が必要となる。
 子どもの活動には、大別して、食事、排泄、休息、衣服の調節などの生活に関わる部分と遊びの部分とがあるが、子どもの主体的活動の中心となるのは遊びである。
 子どもの遊びは、子どもの発達と密接に関連して現れるし、また逆にその遊びによって発達が刺激され、助長される。つまり、遊びは乳幼児の発達に必要な体験が相互に関連し合って総合的に営まれていることから、遊びを通しての総合的な保育をすることが必要である。この際、保育士は子どもと生活や遊びを共にする中で、一人一人の子どもの心身の状態をよく把握しながら、その発達の援助を行うことが必要である。
 また、様々な条件により、子どもに発達の遅れや保育所の生活に慣れにくい状態がみられても、その子どもなりの努力が行われているので、その努力を評価して、各年齢別の発達の一般的な特徴を押しつけることなく、一人一人の子どもの発達の特性や発達の課題に十分に留意して保育を行う必要がある。


第3章 6か月未満児の保育の内容


1 発達の主な特徴
 子どもは、この時期、母体内から外界への環境の激変に適応し、その後は著しい発育・発達がみられる。月齢が低いほど体重や身長の増加が大きく、次第に皮下脂肪も増大し、体つきは円みを帯びてくる。
 また、この時期の視覚や聴覚などの感覚の発達はめざましく、これにより、自分を取り巻く世界を認知し始める。感覚器官を含め、すべての身体発育や行動の発達は子どもが生来持っている機能の発達によることが大きいが、こうした生得的、生理的な諸能力の発達も、その子どもが生活している環境、特に周りの大人との温かく豊かな相互応答的な関係の中で順調に促進される。
 身体発育や行動の発達は、まさしく子どもの身近な環境との相互作用の結果であり、この時期はその出発点である。
 この時期の子どもは発達の可能性に満ちているが、大人の援助なしでは欲求を満たすことはできない。
 しかし、子どもは、笑う、泣くという表情の変化や体の動きなどで自分の欲求を表現する力を持つ。このような表現により子どもが示す様々な欲求に応え、身近にいる特定の保育士が適切かつ積極的に働きかけることにより、子どもと保育士との間に情緒的な絆が形成される。これは対人関係の第一歩であり、自分を受け入れ、人を愛し、信頼する力へと発展していく。
 生後3か月頃には、機嫌のよいときは、じっと見つめたり、周りを見まわしている。周りで物音がしたり、大人が話していると声のする方をみる。足を盛んに蹴るようになる。寝ていて自由に首の向きを変えることができ、腹ばいで頭を持ち上げるようになり、動くものを目で追えるようになる。小型のガラガラ等を手にあてるとすこしの間握ったり、振ったりする。微笑みも生理的なものから、あやすと笑うなど社会的な意味を持ちはじめる。子どもの要求の受け止め方や大人の働きかけに対して快と不快の感情が分化してくる。
 「ア・エ・ウ」等の音を出したり、「ブーブー」とか「クク」という声を出す。授乳中に哺乳瓶に触れていたり、いじったりする。満腹になり乳首をくわえたまま気持ちよさそうに眠ることもある。
 保育士はこのような子どもの行動に気づき、感受性豊かに受け止め、優しく体と言葉で応答することにより、子どもは自分がした行動の意味を理解するようになり、特定の保育士との間で情緒的な絆が形成される。
 生後4か月までに、首がすわり、5か月ぐらいからは目の前の物をつかもうとしたり、手を口に持っていったりするなど手足の動きが活発になる。
 また、生理的な快、不快の表出は、感情を訴えるような泣き方をしたり、大人の顔を見つめ、笑いかけ、「アー」「ウー」などと声を出すなど次第に社会的、心理的な表出へと変化する。さらに、身近な人の声を覚えたり、また、音のする方向に首を向けたり、近づいてくるものを見たり、ゆっくり動くものを目で追うようになる。生後4か月を過ぎると、腕、手首、足は自分の意思で動かせるようになり、さらに、寝返り、腹ばいにより全身の動きを楽しむようになる。
 また、眠っている時と、目覚めている時とがはっきりと分かれ、目覚めている時には、音のする方向に向く、見つめる、追視する、喃語を発するなどの行動が活発になる。

2 保育士の姿勢と関わりの視点
 子どもの心身の機能の未熟性を理解し、家庭との連携を密にしながら、保健・安全に十分配慮し、個人差に応じて欲求を満たし、次第に睡眠と覚醒のリズムを整え、健康な生活リズムを作っていく。また、特定の保育士の愛情深い関わりが、基本的な信頼関係の形成に重要であることを認識して、担当制を取り入れるなど職員の協力体制を工夫して保育する。

3 ねらい
(1) 保健的で安全な環境をつくり、常に体の状態を細かく観察し、疾病や異常は早く発見し、快適に生活できるようにする。
(2) 一人一人の子どもの生活のリズムを重視して、食欲、睡眠、排泄などの生理的欲求を満たし、生命の保持と生活の安定を図る。
(3) 一人一人の子どもの状態に応じて、スキンシップを十分にとりながら心身ともに快適な状態をつくり、情緒の安定を図る。
(4) 個人差に応じて授乳を行い、離乳を進めて、健やかな発育・発達を促す。
(5) 安全で活動しやすい環境の下で、寝返りや腹ばいなど運動的な活動を促す。
(6) 笑ったり、泣いたりする子どもの状態にやさしく応え、発声に応答しながら喃語を育む。
(7) 安心できる人的、物的環境のもとで、聞く、見る、触れるなど感覚の働きが豊かになるようにする。

4 内容
(1) 一人一人の子どもの健康状態を把握し、異常のある場合は適切に対応する。
(2) 一人一人の子どもの心身の発育や発達の状態を的確に把握する。
(3) 体、衣服、身の回りにあるものを、常に清潔な状態にしておく。
(4) 一人一人の子どもの生理的欲求を十分に満たし、保育士の愛情豊かな受容的な関わりにより、気持ちのよい生活ができるようにする。
(5) 授乳は、抱いて微笑みかけたり、優しく言葉をかけたりしながら、ゆったりとした気持ちで行う。
(6) ミルク以外の味やスプーンから飲むことに慣れるようにし、嘱託医などと相談して一人一人の子どもの状態に応じて離乳を開始する。
(7) 一人一人の子どもの生活のリズムを大切にしながら、安心してよく眠れるように環境を整える。
(8) おむつが汚れたら、優しく言葉をかけながらこまめに取り替え、きれいになった心地よさを感じることができるようにする。
(9) 一人一人の子どもの状態に応じて、嘱託医などと相談して、積極的に健康増進を図る。
(10) 室内外の温度、湿度に留意し、子どもの健康状態に合わせて衣服の調節をする。
(11) 授乳、食事の前後や汚れたときは、優しく言葉をかけながら顔や手を拭く。
(12) 立位で抱かれたり、屈伸、腹ばいなど体位を変えてもらって遊びを楽しむ。
(13) 子どもに優しく語りかけをしたり、歌いかけたり、泣き声や喃語に答えながら、保育士との関わりを楽しいものにする。
(14) 優しく言葉をかけてもらいながら、聞いたり、見たり、触ったりできる玩具などで遊びを楽しむ。

5 配慮事項
(1) 身体機能の未熟性が強く、病気にかかりやすく、また、生命の危険に陥りやすいため、体の状態の急激な変化に対応できるように一人一人の子どもの状態を十分に観察する。
(2) 一人一人の子どもの発育・発達の状態を適切に把握し、家庭と連携をとりながら、個人差に応じて保育する。
(3) 低月齢の子どもであることから、保育士の愛情をこめた日々の世話や関わりが一人一人の子どもの発育・発達及び健康状態に大きく影響することを認識して保育する。
(4) 生理的諸機能の未熟性が強く、時には疾病異常の発生や生命の危険につながることもあり、十分に注意して保護・世話をしなければならない。特に、おむつのあて方や衣服の着せ方、寝具の調節、保育室の温度や湿度の調整、安全の確保に心がけるなどをきめ細かく行う。
(5) 愛情豊かな特定の大人との継続性のある応答的で豊かな関わりが、子どもの人格形成の基盤となり、情緒や言葉の発達に大きく影響することを認識し、子どもの様々な欲求を適切に満たし、子どもとの信頼関係を十分に築くように配慮する。
(6) 授乳や食事は清潔に行えるように配慮し、子どもの個人差や健康状態に十分に注意を払う。授乳は、必ず抱いて、子どもの楽な姿勢で行う。一人一人の子どもの哺乳量を考慮して授乳し、哺乳後は、必ず排気させ、吐乳を防ぐ。
(7) 睡眠に当たっては、保育室から離れることなく、環境条件や衣類、寝具のかけ方などに注意するとともに、仰向けに寝かせ、呼吸や顔色、嘔吐の有無など睡眠時の状態をきめ細かに観察し、記録する。特に、乳児の死亡原因として、それまで元気であった子どもが何の前ぶれもなく睡眠中に死亡することがある乳幼児突然死症候群があり、保育中にも十分気配りをする。
(8) 健康増進を図るための活動は、一人一人の子どもの発育・発達状態、健康状態や気候、身につけるものに注意するとともに、発汗など体の状態を十分に観察してから行い、活動後は必要に応じて水分を与える。
(9) 保育室や子どもの身の回りの環境や衣類、寝具、玩具などの点検を常に行い、不潔な状態や危険のないように配慮する。
(10) 快適に過ごせるように、衣服は、家庭と連携をとり、清潔で肌ざわりのよい、ゆったりとしたものを着せるように配慮する。
(11) 保育室は、気候に応じてその温度、湿度などの環境保健に注意を払うとともに、室内環境の色彩やベッドなどの備品の配置にも配慮し、一人一人の子どもの発育・発達状態、健康状態に応じ、さらには情緒の安定のためにその都度適切に整える。
(12) 目覚めているときは、できるだけ個別に抱き上げたり、玩具を見せてあやすなど人に対する関心や周囲に対する興味が育つように配慮する。首がすわっていない子どもは、抱くときには必ず保育士の手で頭を支えるようにする。また、抱き上げてあやすときにも、あまり強く体を揺すらないように配慮する。
(13) 玩具などは、大きさ、形、色、音質など子どもの発達状態に応じて適切なものを選び、遊びを通して感覚の発達に効果あるものとなるように配慮する。



第4章 6か月から1歳3か月未満児の保育の内容


1 発達の主な特徴
 子どもは、この時期、前期に引き続き急速な発育・発達が見られる。6か月を過ぎると、身近な人の顔が分かり、あやしてもらうと非常に喜ぶようになる。視野の中にある新しい刺激、変化に富む刺激、より複雑な刺激を次第に求める積極性や選択性は、初期から認められる。
 しかし、6か月頃より、母体から得た免疫は次第に弱まり、感染症にかかりやすくなる。この時期の座る、はう、立つといった運動や姿勢の発達は、子どもの遊びや生活を変化させ、生活空間を大きく変え、直立歩行へと発展し、さらに、手の運動なども発達して、次第に手を用いるようになる。さらに、言葉が分かるようになり、離乳食から幼児食へと変化することによって、乳児期から幼児期への移行を迎える。
 本来、子どもは生理的に未熟であり、体外の豊かで変化に富んだ応答的環境の中で生活することによって、人間として生まれながらに持っている能力を社会的な環境に適応させながらうまく発現していく必要があることから、この時期は、極めて大切である。
 7か月頃から一人で座れるようになり、座った姿勢でも両手が自由に使えるようになる。
 また、この時期には人見知りが激しくなるが、一方では、見慣れた人にはその身振りをまねて「ニギニギ」をしたり「ハイハイ」などをして積極的に関わりを持とうとする。この気持ちを大切に受け入れ応答することが情緒の安定にとって重要である。こうした大人との関係の中で喃語は変化に富み、ますます盛んになる。
 9か月頃までには、はうことや両手に物を持って打ちつけたり、たたき合わせたりすることができるようになる。身近な大人との強い信頼関係に基づく情緒の安定を基盤にして、探索活動が活発になってくる。また、情緒の表現、特に表情もはっきりしてきて、身近な人や欲しいものに興味を示し、自分から近づいていこうとするようになる。
 さらに、簡単な言葉が理解できるようになり、自分の意思や欲求を身振りなどで伝えようとするようになる。
 1歳前後には、つかまり立ち、伝い歩きもできるようになり、外への関心も高まり、手押し車を押したりすることを好むようになる。また、喃語も、会話らしい抑揚がつくようになり、次第にいくつかの身近な単語を話すようになる。



2 保育士の姿勢と関わりの視点
 身近な人を区別し、安定して関われる大人を求めるなど、特定の保育士との関わりを基盤に、歩行や言葉の獲得に向けて著しく発達するので、一人一人の欲求に応え、愛情をこめて、応答的に関わるようにする。家庭との連携を密にし、1日24時間を視野に入れた保育を心がけ、生活が安定するようにする。


3 ねらい
(1) 保健的で安全な環境をつくり、体の状態を細かく観察し、疾病や異常の発見に努め、快適に生活できるようにする。
(2) 一人一人の子どもの生活のリズムを重視して、食欲、睡眠、排泄などの生理的欲求を満たし、生命の保持と生活の安定を図る。
(3) 一人一人の子どもの甘えなどの依存欲求を満たし、情緒の安定を図る。
(4) 離乳を進め、様々な食品に慣れさせながら幼児食への移行を図る。
(5) 姿勢を変えたり、移動したり様々な身体活動を十分に行えるように、安全で活動しやすい環境を整える。
(6) 優しく語りかけたり、発声や喃語に応答したりして、発語の意欲を育てる。
(7) 聞く、見る、触るなどの経験を通して、感覚や手や指の機能を働かそうとする。
(8) 絵本や玩具、身近な生活用具が用意された中で、身の回りのものに対する興味や好奇心が芽生える。

4 内容
(1) 一人一人の子どもの健康状態を把握し、異常のある場合は適切に対応する。
(2) 一人一人の子どもの心身の発育や発達の状態を的確に把握する。
(3) 体、衣服、身の回りにあるものを、常に清潔な状態にしておく。
(4) 一人一人の子どもの生理的欲求を十分に満たし、保育士の愛情豊かな受容により気持ちのよい生活ができるようにする。
(5) 楽しい雰囲気の中で、喜んで食事ができるようにし、嘱託医などと相談して離乳を進めながら、次第に幼児食に移行させる。
(6) 一人一人の子どもの生活のリズムを大切にしながら、眠いときは安心して十分に眠ることができるようにする。
(7) 一人一人の子どもの排尿間隔を把握しながら、おむつが汚れたら、優しく言葉をかけながらこまめに取り替え、きれいになった心地よさを感じることができるようにする。
(8) 一人一人の子どもの状態に応じて、嘱託医などと相談して、積極的に健康増進を図る。
(9) 室内外の温度、湿度に留意し、子どもの健康状態に合わせて衣服の調節をする。
(10) 食事の前後や汚れたときは、顔や手を拭いて、清潔になることの快さを喜ぶようにする。
(11) 寝返り、はいはい、お座り、伝い歩き、立つ、歩くなどそれぞれの状態に合った活動を十分に行う。
(12) つまむ、たたく、ひっぱるなど手や指を使って遊ぶ。
(13) 喃語や片言を優しく受け止めてもらい、発語や保育士とのやりとりを楽しむ。
(14) 生活や遊びの中での保育士のすることに興味を持ったり、模倣したりすることを楽しむ。
(15) 保育士の歌を楽しんで聞いたり、歌やリズムに合わせて手足や体を動かして楽しむ。
(16) 保育士と一緒にきれいな色彩のものや身近なものの絵本を見る。
(17) 保育士に見守られて、玩具や身の回りのもので一人遊びを十分に楽しむ。


5 配慮事項
(1) 感染症にかかりやすいので、発熱など体の状態、機嫌、元気さなど日常の状態の観察を十分に行い、変化が見られたときには適切に対応する。
(2) 一人一人の子どもの発育・発達状態を適切に把握し、家庭と連携をとりながら、個人差に応じて保育する。
(3) 特定の保育士との温かいふれあい、保育士の優しい語りかけが、子どもの情緒を安定させ、順調な発育・発達を支えることを認識して子どもに接するように心掛ける。
(4) 授乳、離乳は一人一人の子どもの健康状態や食欲に応じて行うとともに、発育・発達状態に応じて食品や調理形態に変化を持たせるなどして離乳を進め、適切な時期に離乳を完了し、幼児食に移行する。
(5) 食事においては、咀嚼や嚥下の発達を適切に促せるように、食品や調理形態に配慮し、子どもが自分から食べようとする意欲や行動を大切にしながら適切な援助を行う。
(6) 季節や一人一人の子どもの健康状態や活動状況に応じて睡眠できるように配慮し、また、睡眠中の状態の観察を怠ることなく、室温、衣服、寝具に配慮するとともに、起床後の健康状態や転落その他の事故がないように十分に注意する。
(7) 食事、排泄などへの対応は、一人一人の子どもの発育・発達状態に応じて、急がせることなく無理のないように行い、上手にできたときにはほめるなどの配慮をする。
(8) 健康増進を図るための活動は、一人一人の子どもの発育・発達状態、健康状態や気候などに配慮して行い、活動後は子どもの状態を十分に観察する。
(9) 楽しい雰囲気の中での保育士との関わり合いを大切にし、ゆっくりと優しく話しかけるなど積極的に相手になって、言葉のやりとりを楽しむことができるように配慮する。
(10) 発達が進み、新しい行動が可能となると行動範囲が広がるので、身の回りのものなどについてはいつも十分な点検を行い、安全を確認した上で探索意欲を満たして自由に遊べるようにする。この時期には伝い歩きが始まるが、はうことも十分に経験できるようにする。
(11) 行動が活発になるので、十分な休息がとれるように配慮する。
(12) 抱かれたり、一人歩きなどで、身近な自然の素材、生き物、乗り物などに接して楽しむ機会を持ち、子どもの外界への関心を広げるように配慮する。
(13) 遊びにおいては、個人差の大きい時期なので、一人一人の子どもの発育・発達状態をよく把握し、子どもが興味を持ち、自分からしてみようとする意欲を大切にし、温かく見守る。
(14) 保育士の優しい歌声や、快い音楽を聴く機会を豊富にし、また、好きな歌や音楽は繰り返すようにして、満足感を味わえるようにする。さらに、大人の動作を見て模倣をする喜びを味わえるようにする。


第5章 1歳3か月から2歳未満児の保育の内容


1 発達の主な特徴
 子どもは、この時期、歩き始め、手を使い、言葉を話すようになる。この時期には、運動機能の発達がめざましく、体つきは次第にやせぎみになっていく印象を受ける。感染症の罹患が多く、この時期の病気の大半を占めるといってもよい。つかまらずに歩けるようになり、押したり、投げたりなどの運動機能も増す。生活空間が広がり、子どもはこれまでに培われた安心できる関係を基盤として、目の前に開かれた未知の世界の探索行動に心をそそられ、身近な人や身の回りにある物に自発的に働きかけていく。その過程で、生きていく上で必要な数多くの行動を身につけていく。例えば、身近な人の興味ある行動を模倣し、活動の中に取り入れるようになる。つまむ、めくる、通す、はずす、なぐりがきをする、転がす、スプ-ンを使う、コップを持つなど運動の種類が確実に豊かになっていく。こうした新しい行動の獲得によって、子どもは自分にもできるという気持ちを持ち、自信を獲得し、自発性を高めていく。また、大人の言うことが分かるようになり、呼びかけたり、拒否を表す片言を盛んに使うようになり、言葉で言い表わせないことは、指さし、身振りなどで示そうとする。このように自分の思いを親しい大人に伝えたいという欲求が次第に高まってくる。そして、1歳後半には、「マンマ、ホチイ」などの二語文も話し始めるようになる。
 さらに、この時期には、ボ-ルのやりとりのような物を仲立ちとした触れ合いや、物の取り合いも激しくなり、また、あるものを他のもので見立てるなど、その後の社会性や言語の発達にとって欠かせない対人関係が深まり、象徴機能が発達してくる。このような外界への働きかけは、身近な人だけでなく物へも広がり、大人にとっては、いたずらが激しくなったと感じられることも多くなる。
 保育士との豊かな交流は、友達と一緒にいることの喜びへとつながり、情緒の面でも、子どもに対する愛情と大人に対する愛情とに違いが出てくるし、嫉妬心も見られるなど分化が行われる。この時期は、保育士に受け入れられることにより、自発性、探索意欲が高まるが、まだまだ大人の世話を必要とする自立への過程の時期である。


2 保育士の姿勢と関わりの視点
 保育士は子どもの生活の安定を図りながら、自分でしようとする気持ちを尊重する。自分の気持ちをうまく言葉で表現できないことや、思い通りにいかないことで、時には大人が困るようなことをすることも発育・発達の過程であると理解して対応する。歩行の確立により、盛んになる探索活動が十分できるように環境を整え、応答的に関わる。


3 ねらい
(1) 保健的で安全な環境をつくり、体の状態を観察し、快適に生活できるようにする。
(2) 一人一人の子どもの生理的欲求や甘えなどの依存欲求を満たし、生命の保持と情緒の安定を図る。
(3) 様々な食品や調理形態に慣れ、楽しい雰囲気のもとで食べることができるようにする。
(4) 一人一人の子どもの状態に応じて、睡眠など適切な休息をとるようにし、快適に過ごせるようにする。
(5) 安心できる保育士との関係の下で、食事、排泄などの活動を通して、自分でしようとする気持ちが芽生える。
(6) 安全で活動しやすい環境の中で、自由に体を動かすことを楽しむ。
(7) 安心できる保育士の見守りの中で、身の回りの大人や子どもに関心を持ち関わろうとする。
(8) 身の回りの様々なものを自由にいじって遊び、外界に対する好奇心や関心を持つ。
(9) 保育士の話しかけや、発語が促されたりすることにより、言葉を使うことを楽しむ。
(10) 絵本、玩具などに興味を持って、それらを使った遊びを楽しむ。
(11) 身近な音楽に親しみ、それに合わせた体の動きを楽しむ。

4 内容
(1) 一人一人の子どもの健康状態を把握し、異常のある場合は適切に対応する。
(2) 一人一人の子どもの心身の発育・発達の状態を的確に把握する。
(3) 体、衣服、身の回りにあるものを、常に清潔な状態にしておく。
(4) 一人一人の子どもの気持ちを理解し、受容することにより、子どもとの信頼関係を深め、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。
(5) 楽しい雰囲気の中で、昼食や間食が食べられるようにする。
(6) スプ-ン、フォ-クを使って一人で食べようとする気持ちを持つようにする。
(7) 一人一人の子どもの生活のリズムを大切にしながら、安心して午睡などをし、適切な休息ができるようにする。
(8) おむつやパンツが汚れたら、優しく言葉をかけながら取り替え、きれいになった心地よさを感じることができるようにする。
(9) 一人一人の子どもの排尿間隔を知り、おむつが汚れていないときに便器に座らせ、うまく排尿できたときはほめることなどを繰り返し、便器での排泄に慣れるようにする。
(10) 室内外の温度、湿度に留意し、子どもの状態に合わせて衣服の調節をする。
(11) 保育士の優しい言葉かけと援助で、衣服の着脱に興味を持つようにする。
(12) 食事の前後や汚れたときは顔や手を拭いて、きれいになった快さを感じることができるようにする。
(13) 登る、降りる、跳ぶ、くぐる、押す、引っ張るなどの運動を取り入れた遊びや、いじる、たたく、つまむ、転がすなど手や指を使う遊びを楽しむ。
(14) 保育士に見守られ、外遊び、一人遊びを十分に楽しむ。
(15) 好きな玩具や遊具、自然物に自分から関わり、十分に遊ぶ。
(16) 保育士の話しかけを喜んだり、自分から片言でしゃべることを楽しむ。
(17) 興味ある絵本を保育士と一緒に見ながら、簡単な言葉の繰り返しや模倣をしたりして遊ぶ。
(18) 保育士と一緒に歌ったり簡単な手遊びをしたり、また、体を動かしたりして遊ぶ。


5 配慮事項
(1) 感染症にかかることが多いので、発熱など体の状態、機嫌、食欲、元気さなどの日常の状態の観察を十分に行い、変化が見られたときは、適切に対応する。
(2) 身体発育や精神や運動の機能の発達には、個人差が大きいことに配慮し、発育・発達の状態を正しく把握するとともに、その変化に気づいたときは的確な処置をとる。
(3) 食欲や食事の好みに偏りが現れやすい時期なので、日常の心身の状態を把握しておき、無理なく個別に対応する。
(4) できるだけ外での活動を行うようにするが、外に出るときは、日照や気温などに注意して、帽子や服装に配慮し、子どもの体調に合わせて無理をしないようにする。また、活動などにより多量に汗をかいた後は水分の補給をする。
(5) 歩行の発達に伴い行動範囲が広がり、探索行動が活発になるので、事故が発生しやすくなる。
また、予測できない行動も多くなるので、環境や活動の状態、子ども相互の関わりなどに十分な注意を払う。
(6) 食事は、一人一人の子どもの健康状態に応じ、無理に食べさせないようにし、自分でしようとする気持ちを大切にする。
また、食事のときには、一緒に噛むまねをして見せたりして、噛むことの大切さが身につくように配慮する。
(7) 睡眠に当たっては、一人一人の子どもに適した接し方をして、十分に眠れるようにする。
また、目覚めたときは、適切に応じるようにする。
(8) 排泄は、ゆったりした気持ちで対応し、子どもが自分から便器に座ってみようと思うような話し方、接し方をする。
(9) 衣類の着脱に当たっては、自分でしようとするのを励ましたり、うまくできたときはほめるなどして、自分でしようとする気持ちを大切にする。
(10) 個人差の大きい時期なので、一人一人の子どもの発育・発達状態をよく知り、楽しい雰囲気をつくるなどして、子どもが興味を持ち、自分から遊びを楽しめるように配慮する。
自分でしようとしているときや何かに熱中しているときには温かく見守る。また、子どもの発見や驚きを見逃さず受け止め、好奇心や興味を満たすようにする。
(11) 全身を使うような遊びや手や指を使う遊びでは、子どもの自発的な活動を大切にしながら、時には保育士がやってみせるなど保育士と一緒に楽しんで遊べるようにする。
(12) 保育士と一緒に絵本を見ながら、絵本の内容を動作や言葉で表したり、歌を歌ったりなどして、模倣活動を楽しめるようにする。
(13) 子ども相互のけんかが多くなるが、不安感が強まらないように、保育士の優しい語りかけなどによりお互いの存在に気づくように配慮する。




第6章 2歳児の保育の内容


1 発達の主な特徴
 子どもは、この時期、歩行の機能は一段と進み、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能が伸び、体を自分の思うように動かすことができるようになり、身体運動のコントロールもうまくなるので、リズミカルな運動や音楽に合わせて体を動かすことを好むようになる。
 同時に指先の動きも急速に進歩する。発声、構音機能も急速に発達して、発声はより明瞭になり、語いの増加もめざましく、日常生活に必要な言葉も分かるようになり、自分のしたいこと、してほしいことを言葉で表出できるようになる。このような発達を背景に行動はより自由になり、行動範囲も広がり、他の子どもとの関わりを少しずつ求めるようになる。感染症に対する抵抗力は次第についてくるが、感染症は疾病の中では最も多い。
 日々の生活の中での新たな体験は、子どもの関心や探索意欲を高め、そこで得られた喜びや感動や発見を、自分に共感してくれる保育士や友達に一心に伝えようとし、一緒に体験したいと望むようになる。このような子どもの欲求を満たすことによって、諸能力も高まっていき、自分自身が好ましく思え、自信を持つことができるようになる。
 したがって、大人の手を借りずに何でも意欲的にやろうとする。しかし、現実にはすべてが自分の思いどおりに受け入れられるわけではなく、また、自分でできるわけでもないので、しばしば大人や友達との間で、自分の欲求が妨げられることを経験する。
 ところが、この頃の子どもはまだこうした状況にうまく対処する力を持っていないので、時にはかんしゃくを起こしたり、反抗したりして自己主張することにもなる。これは、自我が順調に育っている証拠と考えられる。この時期にも、子どもは周りの人の行動に興味を示し、盛んに模倣するが、さらに、物事の間の共通性を見い出したり、概念化することもできるようになる。また、象徴機能や観察力も増し、保育士と一緒に簡単なごっこ遊びができるようになる。


2 保育士の姿勢と関わりの視点
 全身運動、手指などの微細な運動の発達により、探索活動が盛んになるので、安全に留意して十分活動できるようにする。生活に必要な行動が徐々にできるようになり、自分でやろうとするが、時には甘えたり、思い通りにいかないとかんしゃくを起こすなど感情が揺れ動く時期であり、それは自我の順調な育ちであることを理解して、一人一人の気持ちを受け止め、さりげなく援助する。また、模倣やごっこ遊びの中で保育士が仲立ちすることにより、友達と一緒に遊ぶ楽しさを次第に体験できるようにする。


3 ねらい
(1) 保健的で安全な環境をつくり、快適に生活できるようにする。
(2) 一人一人の子どもの欲求を十分に満たし、生命の保持と情緒の安定を図る。
(3) 楽しんで食事、間食をとることができるようにする。
(4) 午睡など適切に休息の機会をつくり、心身の疲れを癒して、集団生活による緊張を緩和する。
(5) 安心できる保育士との関係の下で、食事、排泄などの簡単な身の回りの活動を自分でしようとする。
(6) 保育士と一緒に全身や手や指を使う遊びを楽しむ。
(7) 身の回りに様々な人がいることを知り、徐々に友達と関わって遊ぶ楽しさを味わう。
(8) 身の回りのものや親しみの持てる小動物や植物を見たり、触れたり、保育士から話を聞いたりして興味や関心を広げる。
(9) 保育士を仲立ちとして、生活や遊びの中で言葉のやりとりを楽しむ。
(10) 保育士と一緒に人や動物などの模倣をしたり、経験したことを思い浮かべたりして、ごっこ遊びを楽しむ。
(11) 興味のあることや経験したことなどを生活や遊びの中で、保育士とともに好きなように表現する。

4 内容
(1) 一人一人の子どもの健康状態や発育・発達状態を把握し、異常のある場合は適切に対応する。
(2) 生活環境を常に清潔な状態に保つとともに、身の回りの清潔や安全の習慣が少しずつ身につくようにする。
(3) 一人一人の子どもの気持ちを理解し、受容することにより、子どもとの信頼関係を深め、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。
(4) 楽しい雰囲気の中で、自分で食事をしようとする気持ちを持たせ、嫌いなものでも少しずつ食べられるようにする。
また、食事の後、保育士の手助けによって、うがいなどを行うようにする。
(5) 落ち着いた雰囲気の中で十分に眠る。
(6) 自分から、あるいは言葉をかけてもらうなどして便所に行き、保育士が見守る中で自分で排泄する。
(7) 簡単な衣服は一人で脱ぐことができるようになり、手伝ってもらいながら一人で着るようになる。
(8) 顔を拭く、手を洗う、鼻を拭くなどを保育士の手を借りながら少しずつ自分でする。
(9) 走る、跳ぶ、登る、押す、引っ張るなど全身を使う運動を取り入れた遊びや、つまむ、丸める、めくるなどの手や指を使う遊びを楽しむ。
(10) 自分の物、人の物の区別に気づくようになる。保育士の適切な援助によって自分の物の置き場所が分かる。
(11) 保育士の仲立ちによって、共同の遊具などを使って遊ぶ。
(12) 身の回りの小動物、植物、事物などに触れ、それらに興味、好奇心を持ち、探索や模倣などをして遊ぶ。
(13) 生活に必要な簡単な言葉を聞き分け、また、様々な出来事に関心を示し、言葉で表す。
(14) 保育士と一緒に簡単なごっこ遊びをする中で言葉のやりとりを楽しむ。
(15) 絵本や紙芝居を楽しんで見たり聞いたりし、繰り返しのある言葉の模倣を楽しむ。
(16) 保育士と一緒に、水、砂、土、紙などの素材に触れて楽しむ。
(17) 保育士と一緒に歌ったり簡単な手遊びをしたり、リズムに合わせて、体を動かしたりして遊ぶ。


5 配慮事項
(1) 一人一人の子どもの発育・発達状態及び日常に見られる心身の状態を十分に把握し、その変化に気づいたときには適切な処置ができるように配慮する。
(2) 食事、排泄、睡眠、衣類の着脱など生活に必要な基本的な習慣については、一人一人の子どもの発育・発達状態、健康状態に応じ、十分に落ち着いた雰囲気の中で行うことができるようにし、また、その習慣形成に当たっては、自分でしようとする気持ちを損なわないように配慮する。
(3) 食事の前後、排泄の後などにおいては、自分で清潔にしようとする気持ちが持てるように配慮し、一人でできたときは十分にほめるようにする。
(4) 外遊びや遊具で遊ぶ機会を多くし、遊具に慣れる経験を大切にしながら、子どもの自主性に応じて遊べるように工夫し、健康増進を図るように配慮する。
(5) 衝動的な動作が多くなるので、子どもから目を離さないように注意する。
(6) 活発な活動の後には、一人一人の子どもの状態によって適切な休息や水分を与えたり、汗を拭いたりして、体の状態を観察する。
(7) 子どもが、楽しみながら全身や手を使う活動ができるような遊びを取り入れる。
(8) 子ども同士のけんかが多くなるので、保育士はお互いの気持ちを受容し、分かりやすく仲立ちをして、根気よく他の子どもとの関わり方を知らせていく。
(9) 自然や身近な事物などへの興味や関心を広げていくに当たっては、安全や衛生面に留意しながら、それらと触れ合う機会を十分に持つようにする。
また、保育士がまず親しみや愛情を持って関わるようにして、子どもが自分からしてみようと思う気持ちを大切にする。
(10) 子どもの話はやさしく受け止め、自分から保育士に話しかけたいという気持ちを大切にし、楽しんで言葉を使うことができるように配慮する。
(11) くり返しのある話や絵本を読んで聞かせたり、子どものしたことをお話にしたりして様々な興味を養うようにする。
(12) 生活や遊びの中で、子どものつぶやきやしぐさなどに保育士が共感しながら、表現の喜びや芽生えを育てるように配慮する。
(13) 歌うことや、音楽に合わせて体を動かすことを好むので、子どもの好む歌、簡単な歌詞、旋律の歌や曲を正しく、美しく表現するように配慮する。




第7章 3歳児の保育の内容


1 発達の主な特徴
 子どもは、この時期までに、基礎的な運動能力は一応育ち、話し言葉の基礎もでき、食事・排泄などもかなりの程度自立できるようになってくる。
 これまでは、何かにつけ保育士に頼り、保育士との関係を中心に行動していた子どもも、一人の独立した存在として行動しようとし、自我がよりはっきりしてくる。
 そして、他の子どもとの関係が子どもの生活、特に遊びにとって重要なものとなってくる。他の子どもとの触れ合いの中で、少しずつ友達と分け合ったり、順番を守って遊んだりできるようになる。この段階では、子ども自身は友達と遊んだつもりになっていても、実際にはまだ平行遊びが多い。しかし、この時期に仲間と一緒にいて、その行動を観察し模倣することの喜びを十分に味わうことは、社会性の発達を促し、ひいてはより豊かな人間理解へとつながっていく大切な基礎固めになる。
 注意力や観察力はますます伸びて、身の回りの大人の行動や日常経験していることなどを取り入れたりしてごっこ遊びの中に再現するので、これまでのごっこ遊びより組織的になって、遊びの内容にも象徴機能や創造力を発揮した発展性が見られるようになり、遊びがかなりの時間持続する。
 この頃、「なぜ」「どうして」などの質問が盛んになり、ものの名称やその機能などを理解しようとする知識欲が強くなり、言葉はますます豊かになってくる。そして、自分の行動や体験を通した現実的で具体的な範囲であれば、「こうするとこうなる」など、あらかじめ、結果について予想をすることができるようになってきて、自分のしようとすることにも段々と意図と期待を持って行動できるようになる。また、簡単な話の筋も分かるようになり、話の先を予想したり、自分と同化して考えたりできるようになる。
 さらに、この時期には、きまりを守って自分から「・・・をしよう」という気持ちも現われてきて、「・・・するつもり」という思いを抱くようになる。また、進んで保育士の手伝いを行ったりするようになり、人の役に立つことに誇りや喜びを抱くようになる。


2 保育士の姿勢と関わりの視点
 心身ともに、めざましい発育・発達を示すときであり、それだけにていねいな対応が求められる。自我がはっきりしてくるものの、それをうまく表現や行動に表すことができないところもあり、一人一人の発達に注目しながら、優しく受け止める配慮を欠かしてはならない。


3 ねらい
(1) 保健的で安全な環境をつくり、快適に生活できるようにする。
(2) 一人一人の子どもの欲求を十分に満たし、生命の保持と情緒の安定を図る。
(3) 楽しんで食事や間食をとることができるようにする。
(4) 午睡など適切な休息をとらせ、心身の疲れを癒し、集団生活による緊張を緩和する。
(5) 食事、排泄、睡眠、衣服の着脱などの生活に必要な基本的な習慣 が身につくようにする。
(6) 外遊びを十分にするなど、遊びの中で体を動かす楽しさを味わう。
(7) 身近な人と関わり、友達と遊ぶことを楽しむ。
(8) 身近な動植物や自然事象に親しみ、自然に触れ十分に遊ぶことを 楽しむ。
(9) 身近な社会事象に親しみ、模倣したりして遊ぶことを楽しむ。
(10) 身近な環境に興味を持ち、自分から関わり、生活を広げていく。
(11) 生活に必要な言葉がある程度分かり、したいこと、して欲しいこ とを言葉で表す。
(12) 絵本、童話、視聴覚教材などを見たり聞いたりして、その内容や面白さを楽しむ。
(13) 様々なものを見たり触れたりして、面白さ・美しさなどに気づく。
(14) 感じたことや思ったことを描いたり、歌ったり、体を動かしたりして、自由に表現しようとする。


4 内容
[基礎的事項]
(1) 一人一人の子どもの平常の健康状態や発育・発達状態を把握し、異常を感じる場合は速やかに適切に対応する。また、子どもが自分から体の異常を訴えることができるようにする。
(2) 施設内の環境保健に十分に留意し、快適に生活できるようにする。
(3) 一人一人の子どもの気持ちや考えを理解して受容し、保育士との信頼関係の中で、自分の気持ちや考えを安心して表すことができるなど情緒の安定した生活ができるようにする。
(4) 食事、排泄、睡眠、休息など生理的欲求が適切に満たされ、快適な生活や遊びができるようにする。

「健康」
(1) 楽しい雰囲気の中で、様々な食べ物を進んで食べようとする。
(2) 便所には適宜一人で行き、排尿、排便を自分でする。
(3) 保育士に寄り添ってもらいながら、午睡などの休息を十分にとる。
(4) 保育士の手助けを受けながら、衣服を自分で着脱する。
(5) 保育士の手助けにより、自分で手洗いや鼻をかむなどして清潔を保つ。
(6) 体の異常を、少しは自分から訴える。
(7) 危ない場所に近づくことが少なくなり、危険な遊びに気づく。
(8) 外で十分に体を動かしたり、様々な遊具や用具などを使った運動や遊びを楽しむ。


「人間関係」
(1) 保育士に様々な欲求を受け止めてもらい、保育士に親しみを持ち安心感を持って生活する。
(2) 友達とごっこ遊びなどを楽しむ。
(3) 遊具や用具などを貸したり借りたり、順番を待ったり交代したりする。
(4) 簡単なきまりを守る。
(5) 保育士の手伝いをすることを喜ぶ。
(6) 遊んだ後の片づけをするようになる。
(7) 年上の友達と遊んでもらったり、模倣して遊んだりする。
(8) 地域の人と触れ合うことを喜ぶ。

「環境」
(1) 身近な動植物をはじめ自然事象をよく見たり、触れたりなどして驚き、親しみを持つ。
(2) 身近な人々の生活を取り入れたごっこ遊びを楽しむ。
(3) 自分のものと人のものとの区別を知り、共同のものとの区別にも気づく。
(4) 身近な事物に関心を持ち、触れたり、集めたり、並べたりして遊ぶ。
(5) 様々な用具、材料に触れ、それを使って遊びを楽しむ。
(6) 生活や遊びの中で、身の回りの物の色、数、量、形などに興味を持ち、違いに気づく。
(7) 保育所の行事に参加して、喜んだり楽しんだりする。

「言葉」
(1) あいさつや返事など生活や遊びに必要な言葉を使う。
(2) 自分の思ったことや感じたことを言葉に表し、保育士や友達と言葉のやりとりを楽しむ。
(3) 保育士にして欲しいこと、困ったことを言葉で訴える。
(4) 保育士に、いろいろな場面で、なぜ、どうして、などの質問をする。
(5) 興味を持った言葉を、面白がって聞いたり言ったりする。
(6) 絵本や童話などの内容が分かり、イメージを持って楽しんで聞く。
(7) ごっこ遊びの中で、日常生活での言葉を楽しんで使う

「表現」
(1) 身の回りの様々なものの音、色、形、手ざわり、動きなどに気づく。
(2) 音楽に親しみ、聞いたり、歌ったり、体を動かしたり、簡単なリズム楽器を鳴らしたりして楽しむ。
(3) 様々な素材や用具を使って、好きなように描いたり、扱ったり、形を作ったりして遊ぶ。
(4) 動物や乗り物などの動きを模倣して、体で表現する。
(5) 絵本や童話などに親しみ、興味を持ったことを保育士と一緒に言ったり、歌ったりなど様々に表現して遊ぶ。


5 配慮事項
[基礎的事項]
(1) 一人一人の子どもの平常の健康状態をよく観察し、異常を早く発見できるように注意する。異常を少しでも感じたら速やかに適切な対応をする。
(2) その時の気候や子どもの状態をよく把握し、気持ちよく活動できるように環境を整える。特に、施設内の採光、換気、保温、清潔など環境保健に配慮する。
(3) 子どもの気持ちを温かく受容し、やさしく応答し、保育士と一緒にいることで安心できるような関係をつくるように配慮する。

「健康」
(1) 身の回りのことは一応自分でできるようになるが、自分でしようとする気持ちを大切にしながら、適切な援助をするように配慮する。
(2) 食事は、摂取量に個人差が生じたり、偏食が出やすいので、一人一人の心身の状態を把握し、楽しい雰囲気の中でとれるように配慮する。
(3) 用具、遊具などを扱う場合は、特に安全に配慮する。

「人間関係」
(1) 友達との関係については、保育士や遊具その他のものを仲立ちとして、その関係が持てるように配慮する。
(2) 初めて集団生活する子どもには、特に心身の疲労を緩和するように配慮し、個別に対応しながら、次第に集団生活に適応できるように他の子どもとの触れ合いの機会を多くするなど配慮する。


「環境」
(1) 身近の様々なものに興味を持つので、その興味、探索意欲などを十分に満足させるように環境を整え、保健、安全面に留意して意欲的に関われるようにする。
(2) 身の回りの出来事や住んでいる地域の人々の生活が自分の生活と関わりがあることに気づくように配慮する。

「言葉」
(1) 子どもが保育士に話したいことの意味をくみ取るように努め、話したいという気持ちを十分に満たすことができるように配慮する。
(2) 絵本や童話、紙芝居などの面白さが分かるように配慮するとともに、生活の中でできるだけ言葉と行動や出来事が結びつくように配慮する。
(3) 言葉は、聞いて覚えるものであることに着目し、保育士は自らの言葉遣いに配慮する。

「表現」
(1) 身近なものに直接触れたり扱ったりして、新しいものに驚いたり不思議に思うなど感動する経験が広がるように配慮する。
(2) 一人一人の子どもの興味や自発性を大切にし、自分から表現しようとする気持ちが育つように配慮する。




第8章 4歳児の保育の内容


1 発達の主な特徴
 子どもは、この時期、全身のバランスをとる能力が発達し、体の部分がかなり自分の意のままに使えるようになり、体の動きが巧みになる。また、各機能間の分化・統合が進み、話をしながら食べるなど、異なる2種以上の行動を同時にとるようにもなる。このような過程をたどりながら、全体として一つにまとまり、自我がしっかりと打ち立てられ、自分と他人との区別もはっきりしてくる。
 自分以外の人やものをじっくりと見るようになると、逆に見られる自分に気づき、自意識が芽生えてくる。したがって、今までのように無邪気に振る舞うことができない場面も生じる。また、目的を立てて、作ったり、描いたり、行動するようになるので、自分の思ったようにいかないのではないかと不安が生じたり、辛くなったりするなど、葛藤を体験する。このような心の動きを保育士が十分に察して、共感し、ある時は励ますことによって、子どもは、保育士がしたような方法で、他人の心や立場を気遣う感受性を持つことができるようになる。こうして、他人にも目には見えない心のあることを実感し、身近な人の気持ちが分かるようになり、情緒は一段と豊かになる。
 この頃の子どもは、心が人のみではなく、他の生き物、さらには、無生物にまでもあると思っている。これが子どもらしい空想力や想像力の展開にもつながる。また、恐れの対象は、大きな音、暗闇など物理的な現象だけでなく、オバケ、夢、一人残されることなど、想像による恐れが増してくる。
 この時期の子どもは、人だけではなく、周りのものにも鋭い関心を向け、探索を続けるなど活動的であるので、その過程で他の子どもの興味ある遊びを見たり、自分自身の体験によって土や水をはじめとした自然物や遊具などの自分を取り巻く様々なものの特性を知り、それらとの関わり方、遊び方を豊かに体得していく。その中で、仲間といることの喜びや楽しさがお互いに感じられるようになり、仲間とのつながりは強まるが、それだけに競争心も起き、けんかも多くなる。一方、この頃になると、仲間の中では、不快なことに直面しても、少しずつ自分で自分の気持ちを抑えたり、我慢もできるようになってくる。


2 保育士の姿勢と関わりの視点
 友達をはじめ人の存在をしっかり意識できるようになる。友達と一緒に行動することに喜びを見出し、一方で、けんかをはじめ人間関係の葛藤にも悩むときであり、したがって集団生活の展開に特に留意する必要がある。また、心の成長も著しく、自然物への興味・関心を通した感性の育ちに注目しなければならない。

3 ねらい
(1) 保健的で安全な環境をつくり、快適に生活できるようにする。
(2) 一人一人の子どもの欲求を十分に満たし、生命の保持と情緒の安定を図る。
(3) 友達と一緒に食事をしたり、様々な食べ物を食べる楽しさを味わうようにする。
(4) 午睡など適切な休息をとらせ、心身の疲れを癒し、集団生活による緊張を緩和する。
(5) 自分でできることに喜びを持ちながら、健康、安全など生活に必要な基本的な習慣を次第に身につける。
(6) 身近な遊具や用具を使い、十分に体を動かして遊ぶことを楽しむ。
(7) 保育士や友達の言うことを理解しようとする。
(8) 友達とのつながりを広げ、集団で活動することを楽しむ。
(9) 異年齢の子どもに関心を持ち、関わりを広める。
(10) 身近な動植物に親しみ、それらに関心や愛情を持つ。
(11) 身の回りの人々の生活に親しみ、身近な社会の事象に関心を持つ。
(12) 身近な環境に興味を持ち、自分から関わり、身の回りの事物や数、量、形などに関心を持つ。
(13) 人の話を聞いたり、自分の経験したことや思っていることを話したりして、言葉で伝える楽しさを味わう。
(14) 絵本、童話、視聴覚教材などを見たり聞いたりして、イメ-ジを広げ、言葉を豊かにする。
(15) 身近な事物などに関心を持ち、それらの面白さ、不思議さ、美しさなどに気づく。
(16) 感じたことや思ったこと、想像したことなどを様々な方法で自由に表現する。

4 内容
[基礎的事項]
(1) 一人一人の子どもの平常の健康状態や発育・発達状態を把握し、異常を感じる場合は速やかに適切な対応をする。また、子どもが自分から体の異常を訴えることができるようにする。
(2) 施設内の環境保健に十分に留意し、快適に生活できるようにする。
(3) 一人一人の子どもの気持ちや考えを理解して受容し、保育士との信頼関係の中で、自分の気持ちや考えを安心して表すことができるなど、情緒の安定した生活ができるようにする。
(4) 食事、排泄、睡眠、休息など生理的欲求が適切に満たされ、快適な生活や遊びができるようにする。

「健康」
(1) 食べ慣れないものや嫌いなものでも少しずつ食べようとする。
(2) 排泄やその後の始末などは、ほとんど自分でする。
(3) 嫌がるときもあるが、保育士が言葉をかけることなどにより午睡や休息をする。
(4) 衣服などの着脱を順序よくしたり、そのときの気候や活動に合わせて適宜調節をする。
(5) 自分で鼻をかんだり、顔や手を洗うなど、体を清潔にする。
(6) 体の異常について、自分から保育士に訴える。
(7) 危険なものや場所について分かり、遊具、用具などの使い方に気をつけて遊ぶ。
(8) 進んで外で体を十分に動かして遊ぶ。
(9) 遊具、用具や自然物を使い、様々な動きを組み合わせて積極的に遊ぶ。

「人間関係」
(1) 保育士や友達などとの安定した関係の中で、いきいきと遊ぶ。
(2) 自分のしたいと思うこと、してほしいことをはっきり言うようになる。
(3) 友達と生活する中で、きまりの大切さに気づき、守ろうとする。
(4) 保育士の言うことや友達の考えていることを理解して行動する。
(5) 身の回りの人に、いたわりや思いやりの気持ちを持つ。
(6) 手伝ったり、人に親切にすることや、親切にされることを喜ぶ。
(7) 他人に迷惑をかけたら謝る。
(8) 共同のものを大切にし、譲り合って使う。
(9) 年下の子どもに親しみを持ったり、年上の子どもとも積極的に遊ぶ。
(10) 地域のお年寄りなど身近な人の話を聞いたり、話しかけたりする。
(11) 外国の人など、自分とは異なる文化を持った人の存在に気づく。

「環境」
(1) 身近な動植物の世話を楽しんで行い、愛情を持つ。
(2) 自然や身近な事物・事象に触れ、興味や関心を深める。
(3) 身近にある公共施設に親しみ、関わることを喜ぶ。
(4) 身近にある乗り物に興味や関心を示し、それらを遊びに取り入れようとする。
(5) 自分のもの、人のものを知り、共同のものの区別に気づき、大切にしようとする。
(6) 身近な大人の仕事や生活に興味を持ったり、それらを取り入れたりして遊ぶ。
(7) 身近にある用具、器具などに関心を持ち、いじったり、試したりする。
(8) 具体的な物を通して、数や量などに関心を持ち、簡単な数の範囲で数えたり比べたりすることを楽しむ。
(9) 身の回りの物の色、形などに興味を持ち、分けたり、集めたりして遊ぶ。
(10) 保育所内外の行事に楽しんで参加する。

「言葉」
(1) 日常生活に必要なあいさつをする。
(2) 話しかけられたり、問いかけられたりしたら、自分なりに言葉で返事をする。
(3) 身の回りの出来事に関する話に興味を持つ。
(4) 友達との会話を楽しむ。
(5) 見たことや聞いたことを話したり、疑問に思ったことを尋ねる。
(6) 保育士の話を親しみを持って聞いたり、保育士と話したりして、様々な言葉に興味を持つ。
(7) 絵本や童話などを読み聞かせてもらい、イメ-ジを広げる。

「表現」
(1) 様々なものの音、色、形、手ざわり、動きなどに気づき、驚いたり感動したりする。
(2) 友達と一緒に音楽を聴いたり、歌ったり、体を動かしたり、楽器を鳴らしたりして楽しむ。
(3) 感じたこと、思ったことや想像したことなどを様々な素材や用具を使って自由に描いたり、作ったりすることを楽しむ。
(4) 童話、絵本、視聴覚教材などを見たり、聞いたりしてイメ-ジを広げ、描いたり、作ったり様々に表現して遊ぶ。
(5) 作ったものを用いて遊んだり、保育士や友達と一緒に身の回りを美しく飾って楽しむ。
(6) 身近な生活経験をごっこ遊びに取り入れて遊ぶ楽しさを味わう。


5 配慮事項
[基礎的事項]
(1) 一人一人の子どもの平常の健康状態を把握し、異常に気づいたら優しく問いかけをし、子どもがその状態を話すことができるように配慮するとともに、必要に応じて、速やかに適切な対処をする。
(2) 施設内の採光、換気、保温、清潔など環境保健に配慮する。
(3) 子どもの気持ちを温かく受容し、個人差を考慮して、子どもが安定して活動できるように配慮する。

「健康」
(1) 健康、安全など生活に必要な基本的な習慣は、一人一人の子どもと保育士の親密な関係に基づいて、日常生活の直接的な体験の中で身につくように配慮する。
(2) 子どもの冒険心を大切にし、新しい運動や遊びに対する不安や恐れを取り除くなどして、いきいきとした活動が展開できるように配慮する。
(3) 子どもの生活や経験と遊離した特定の運動や無理な技能の修得に偏らないように配慮する。

「人間関係」
(1) 集団の活動に参加するときは、一人一人の子どもが、それぞれの欲求を満たすことができるよう配慮する。
(2) 友達とのけんかを経験しながら、次第に相手の立場の理解が進み、時には自分の主張を抑制することによって、楽しく遊べることに気づくように配慮する。その際、保育士の優しいまなざしが向けられるようにすることが大切である。


「環境」
(1) 動植物の飼育や栽培の手伝いを通して、それらへの興味や関心を持つようにし、その成長・変化などに感動し、愛護する気持ちを育てるようにする。
(2) 家庭や地域の実態に即して、様々な経験ができるようにし、子どもの発見や驚きを大切にして、社会や自然の事象に関心を持つように配慮する。
(3) 数、量、形などについては、直接それらを取り上げるのではなく、生活や遊びの中で子ども自身の必要に応じて、具体的に体験できるようにして数量的な感覚を育てるように配慮する。

「言葉」
(1) 保育士との間や子ども同士で話す機会を多くし、その中で次第に聞くこと、話すことが楽しめるように配慮する。
(2) 日常会話や絵本、童話、詩などを通して、様々な言葉のきまりや面白さなどに気づき、言葉の感覚が豊かになるように配慮する。

「表現」
(1) 子どものイメ-ジが湧き出るような素材、玩具、用具、生活用品などを用意して、のびのびと表現して遊ぶことができるように配慮する。
保育士の言動は、子どもが美しいものを感じたり、よいものを選んだりすることに強い影響を及ぼすので、それに留意する。
(2) 子ども同士の模倣や認め合いを大切にしながら、表現する意欲や創造性を育てるように配慮する。
(3) 表現しようとする気持ちを大切にし、生活や経験と遊離した特定の技能の修得に偏らないように配慮する。




第9章 5歳児の保育の内容


1 発達の主な特徴
 子どもは、この時期、日常生活の上での基本的な習慣は、ほとんど自立し、自分自身でできるようになり、そばで見ていても危なげがなくなり、頼もしくさえ思われてくる。また、運動機能はますます伸び、運動を喜んで行い、なわとびなどもできるようになる。
 内面的にも一段と成長し、今までのように大人が「いけない」というから悪いのではなくて、自分なりに考えて納得のいく理由で物事の判断ができる基礎が培われてくる。また、行動を起こす前に考えることもできるようになり、自分や他人を批判する力も芽生えてきて、「ずるい」とか「おかしい」など不当に思うことを言葉で表すようになる。手伝いなども、はっきりと目的を持って行うことが多くなり、しかもその結果についても考えが及ぶようになる。
 好きでないことでも、少しは我慢して行い、他人の役に立つことがうれしく、誇らしく感じられるようにもなってくる。
 この頃になると、より一層仲間の存在が重要になる。即ち、同じ一つの目的に向かって数人がまとまって活動するようになり、お互いが自分のやらなければならないことや、きまりを守ることの必要性が分かってきて、初めて集団としての機能が発揮されるようになってくる。このような集団の中で言葉による伝達や対話の必要性は増大する。これは自分の思いや考えをうまく表現し、他人の言うことを聞く力を身につける生きた学習の場になる。言葉を主体として遊んだり、さらには共通のイメ-ジを持って遊んだりすることもできるようになる。また、自分と相手との欲求のぶつかり合いやけんかが起きても、今までのようにすぐに保育士に頼るのではなく、自分たちで解決しようとするようになってくる。つまり、お互いに相手を許したり、認めたりする社会生活に必要な基本的な能力を身につけるようになり、仲間の中の一人としての自覚や自信が持てるようになる。


2 保育士の姿勢と関わりの視点
 毎日の保育所生活を通して、自主性や自律性が育つ。更に集団での活動も充実し、きまりの意味も理解できる。また、大人の生活にも目を向けることができるときである。社会性がめざましく育つことに留意しながら、子どもの生活を援助していくことが大切である。


3 ねらい
(1) 保健的で安全な環境をつくり、快適に生活できるようにする。
(2) 一人一人の子どもの欲求を十分に満たし、生命の保持と情緒の安定を図る。
(3) 食事をすることの意味が分かり、楽しんで食事や間食をとるようにする。
(4) 午睡など適切な休息をさせ、心身の疲れを癒し、集団生活による緊張を緩和する。
(5) 自分でできることの範囲を広げながら、健康、安全など生活に必要な基本的習慣や態度を身につける。
(6) 安全や危険の意味やきまりが分かり、危険を避けて行動する。
(7) 様々な遊具や用具を使い、複雑な運動や集団遊びを通して体を動かすことを楽しむ。
(8) 周りの人々に対する親しみを深め、集団の中で自己主張したり、また、人の立場を考えながら行動する。
(9) 異年齢の子どもたちと遊ぶ楽しさを味わう。
(10) 身近な社会や自然の環境と触れ合う中で、自分たちの生活との関係に気づき、それらを取り入れて遊ぶ。
(11) 日常生活に必要な事物を見たり、扱ったりなどして、その性質や存在に興味を持ったり、数、量、形などへの関心を深める。
(12) 様々な機会や場で活発に話したり、聞いたりして、生活の中で適切に言葉を使う。
(13) 絵本、童話、視聴覚教材などを見たり聞いたりして、その内容や面白さを楽しみ、イメ-ジを豊かに広げる。
(14) 身近な社会や自然事象への関心が高まり、様々なものの面白さ、不思議さ、美しさなどに感動する。
(15) 感じたことや思ったこと、想像したことなどを自由に工夫して、表現する。


4 内容
[基礎的事項]
(1) 一人一人の子どもの平常の健康状態や発育・発達状態を把握し、異常を感じる場合は速やかに適切な対応をする。また、子どもが自分から体の異常を訴えることができるようにする。
(2) 施設内の環境保健に十分に留意し、快適に生活できるようにする。
(3) 一人一人の子どもの気持ちや考えを理解して受容し、保育士との信頼関係の中で、自分の気持ちや考えを安心して表すことができるなど、情緒の安定した生活ができるようにする。
(4) 食事、排泄、睡眠、休息など生理的欲求が適切に満たされ、快適な生活や遊びができるようにする。

「健康」
(1) 体と食物の関係に関心を持つ。
(2) 排泄の後始末を上手にする。
(3) 午睡や休息を自分から進んでする。
(4) 自分で衣服を着脱し、必要に応じて衣服を調節する。
(5) うがい、手洗いの意味が分かり、体や身の回りを清潔にする。
(6) 体の異常について、自分から保育士に訴える。
(7) 危険なものに近寄ったり、危険な場所で遊ばないなど、安全に気をつけて遊ぶ。
(8) 積極的に外で遊ぶ。
(9) 様々な運動器具に進んで取り組み、工夫して遊ぶ。
(10) 友達と一緒に様々な運動や遊びをする。

「人間関係」
(1) 保育士や友達などとの安定した関係の中で、意欲的に遊ぶ。
(2) 簡単なきまりをつくり出したりして、友達と一緒に遊びを発展させる。
(3) 自分の意見を主張するが、相手の意見も受け入れる。
(4) 友達と一緒に食事をし、食事の仕方が身に付く。
(5) 友達への親しみを広げ、深め、自分たちでつくったきまりを守る。
(6) 友達への思いやりを深め、一緒に喜んだり悲しんだりする。
(7) 人に迷惑をかけないように人の立場を考えて行動しようとする。
(8) 共同の遊具や用具を譲り合って使う。
(9) 異年齢の子どもとの関わりを深め、思いやりやいたわりの気持ちを持つ。
(10) 地域のお年寄りなど身近な人に感謝の気持ちを持つ。
(11) 外国の人など自分とは異なる文化を持った様々な人に関心を持つようになる。

「環境」
(1) 身近な動植物に関心を持ち、いたわり、世話をする。
(2) 自然事象が持つ、その大きさ、美しさ、不思議さなどに気づく。
(3) 身近な公共施設や交通機関などに興味や関心を持つ。
(4) 近隣の生活に興味や関心を持ち、人々が様々な営みをしていることに気づく。
(5) 身近にいる大人が仕事をしている姿を見て、自らも進んで手伝いなどをしようとする。
(6) 自然や身近な事物・事象に関心を持ち、それを遊びに取り入れ、作ったり、工夫したりする。
(7) 身近な用具、器具などに興味を持ち、その仕組みや性質に関心を持つ。
(8) 身近な物を大切に扱い、自分の持ち物を整頓する。
(9) 生活の中で物を集めたり、分けたり、整理したりする。
(10) 簡単な数の範囲で、物を数えたり、比べたり、順番を言ったりする。
(11) 生活の中で、前後、左右、遠近などの位置の違いや時刻、時間などに興味や関心を持つ。
(12) 保育所内外の行事に喜んで参加する。
(13) 祝祭日などに関心を持ち生活に取り入れて遊ぶ。

「言葉」
(1) 親しみを持って日常のあいさつをする。
(2) 話しかけや問いかけに対し適切に応答する。
(3) 身近な事物や事象などについて話したり、名前や日常生活に必要な言葉を使う。
(4) 人の話を注意して聞き、相手にも分かるように話す。
(5) 考えたこと経験したことを保育士や友達に話して会話を楽しむ。
(6) 童話や詩などを聞いたり、自ら表現したりして、言葉の面白さや美しさに興味を持つ。
(7) 絵本、童話などに親しみ、その面白さが分かって、想像して楽しむ。
(8) 生活に必要な簡単な文字や記号などに関心を持つ。

「表現」
(1) 様々な音、形、色、手ざわり、動きなどを周りのものの中で気づいたり見つけたりして楽しむ。
(2) 音楽に親しみ、みんなと一緒に聴いたり、歌ったり、踊ったり、楽器を弾いたりして、音色の美しさやリズムの楽しさを味わう。
(3) 様々な素材や用具を利用して描いたり、作ったりすることを工夫して楽しむ。
(4) 身近な生活に使う簡単なものや様々な遊びに使うものを工夫して作る。
(5) 友達と一緒に描いたり、作ったりすることや身の回りを美しく飾ることを楽しむ。
(6) 自分の想像したものを体の動きや言葉などで表現したり、興味を持った話や出来事を演じたりして楽しむ。


5 配慮事項
[基礎的事項]
(1) 一人一人の子どもの平常の状態を把握し、異常に気づいたら優しく問いかけをし、子どもがその状態を話すことができるように配慮するとともに、必要に応じて速やかに適切な対処をする。
(2) 施設内の採光、換気、保温、清潔など環境保健に配慮する。
(3) 子どもの気持ちを温かく受容し、保育所生活の様々な場面で、子どもが安定し、かつ自己を十分に発揮して活動できるように配慮する。

「健康」
(1) 健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や態度が身につき、自分の体を大切にしようとする気持ちが育ち、自主的に行動することができるように配慮する。
(2) 友達との遊びを通して、体を使って遊ぶことを楽しめるように配慮する。
(3) 子どもの生活や経験と遊離した特定の運動や無理な技能の修得に偏らないように配慮する。

「人間関係」
(1) 一人一人の子どもが友達と関わる中で、個人や社会生活に必要な習慣や態度が身につくように配慮する。
(2) グループを作る場合は、様々な場面で自分を主張でき、相手の立場を認め、他人のよいところを見つける力が育つように配慮する。
(3) 集団生活は、一人一人が生かされ認められるよう、また、子どもが相互に必要な存在であることを実感できるように進められることが必要である。

「環境」
(1) 飼育・栽培を通して、動植物がどのようにして生きているのか、育つのか興味を持ち、生命が持つ不思議さに気づくようにする。
(2) 動植物と自分たちの生活との関わりに目を向け、それらに感謝やいたわりの気持ちを育てていくようにする。
(3) 生活の様々な面を通して、自然や社会の事象に対して、好奇心や探索心を満たすことができるように配慮する。
(4) 身近にいる大人の仕事を見て、自分の生活と大切な関わりのあることに気づくように配慮する。
(5) 日常生活の中で子ども自身の具体的な活動を通して、数、量、形、位置、時間などに気づくように配慮する。

「言葉」
(1) 個人差を考慮して、見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたことを言葉で表現できる雰囲気をつくるように配慮する。
(2) 文字や記号については、日常生活や遊びの中で興味を持つよう、用具、遊具、視聴覚教材などの準備に配慮する。
(3) 絵本や童話などの内容を子どもが自らの経験と結びつけたり、想像をめぐらせたりしてイメージを豊かにできるよう、その選定や読み方に十分な配慮をする。

「表現」
(1) 表現しようとする意欲を高め、結果にとらわれず、一人一人の子どもの創意工夫を認め、創造的な喜びが味わえるように配慮する。
(2) 子どもの考えや子ども同士の認め合いを大切にし、みんなで一緒に表現することの喜びを味わうことができるように配慮する。
(3) 表現しようとする気持ちを大切にし、生活や経験と遊離した特定の技能の修得に偏らないように配慮する。



第10章 6歳児の保育の内容


1 発達の主な特徴
 子どもは、この時期、細かい手や指の動きは一段と進み、他の部分との協応もうまくできるようになってくる。また、全身運動もよりなめらかになり、快活に跳び回るようになる。心身ともに力に満ちあふれ、あれもしたい、これもしたいという自分の欲求がどんどん膨らんでくる。これは、今までの自分たちの体験を通じて、自分あるいは自分たちはこんなことができるという自信と、今度はこうやればもっとおもしろいにちがいないという予想や見通しをたてる能力が育っているからである。
 この頃になると、大人のいいつけに従うよりも自分や仲間の意思を大切にし、それを通そうとするようになる。仲間同士で秘密の探検ごっこなどを嬉々としてする。このような活動の中でも、皆が同じような行動をするのではなくて、それぞれの役割の分担が生じて、自分の好みや個性に応じた立場で行動していることがしばしば見られる。このように集団遊びとして組織だった共同遊びが多くなり、長く続くようになってくる。特に、ごっこ遊びなどには、手の込んだ一連の流れがあり、様々な異なる役割が分化しているものを好み、少々難しくても自分たちの満足のいくまでやろうとする。したがって、各々の発案や実際の過程の観察、様々なところからの知識を生かして、創意工夫を重ねて、遊びが発展していくこともある。
 このような体験から大人っぽくなったという実感が湧き、自分でも大きな子のように振る舞おうと努力するようになる。その結果、文字を書いたり、本を読んだりすることにも大いに関心を示し、何でも知ろうとして、一層知識欲が増す。また、言葉が達者になり、口げんかが多くなる。そして、その批判力は大人にも向けられることもある。しかし、人前で泣くことは子どもっぽいこととして恥ずかしく思って、我慢をしたりするようにもなるが、時々保育士に甘えてきて、次にがんばるためのエネルギ-を補給していることもある。


2 保育士の姿勢と関わりの視点
 様々な遊びが大きく発展するときで、特に一人一人がアイデアを盛り込んで創意工夫をこらす。また、思考力や認識力もより豊かに身につくときである。したがって、保育材料をはじめ様々な環境の設定に留意する必要がある。


3 ねらい
(1) 保健的で安全な環境をつくり、快適に生活できるようにする。
(2) 一人一人の子どもの欲求を十分に満たし、生命の保持と情緒の安定を図る。
(3) できるだけ多くの種類の食べ物をとり、楽しんで食事や間食をとるようにする。
(4) 午睡など適切な休息をとらせ、心身の疲れを癒し、集団生活による緊張を緩和する。
(5) 体や病気について関心を持ち、健康な生活に必要な基本的な習慣や態度を身につける。
(6) 安全に必要な基本的な習慣や態度を身につけ、そのわけを理解して行動する。
(7) 様々な遊具や用具を使い、複雑な運動や集団的な遊びを通して体を動かすことを楽しむ。
(8) 進んで身近な人と関わり、信頼感や愛情を持って生活する。
(9) 身近な人との関わりの中で、人の立場を理解して行動し、進んで集団での活動に参加する。
(10) 進んで異年齢の子どもたちと関わり、生活や遊びなどで役割を分担する楽しさを味わう。
(11) 身近な社会や自然の環境に自ら関わり、それらと自分たちの生活との関係に気づき、生活や遊びに取り入れる。
(12) 身近な事物や事象に積極的に関わり、見たり扱ったりする中で、その性質や数、量、形への関心を深める。
(13) 自分の経験したこと、考えたことなどを適切な言葉で表現し、相手と伝え合う楽しさを味わう。
(14) 人と話し合うことや、身近な文字に関心を深め、読んだりすることの楽しさを味わう。
(15) 絵本や童話、視聴覚教材などを見たり、聞いたりして様々なイメ-ジを広げるとともに、想像することの楽しさを味わう。
(16) 身近な社会や自然事象への関心を深め、美しさ、やさしさ、尊さなどに対する感覚を豊かにする。
(17) 感じたことや思ったこと、想像したことなどを、様々な方法で工夫して自由に表現する。


4 内容
[基礎的事項]
(1) 一人一人の子どもの平常の健康状態や発育・発達状態を把握し、異常を感じる場合は速やかに適切な対応をする。また、子どもが自分から体の異常を保育士に訴えることができるようにする。
(2) 施設内の環境保健に十分に留意し、快適に生活できるようにする。
(3) 一人一人の子どもの気持ちや考えを理解して受容し、保育士との信頼関係の中で自分の気持ちや考えを安心して表すことができるなど、情緒の安定した生活ができるようにする。
(4) 食事、排泄、睡眠、休息など生理的欲求が適切に満たされ、快適な生活や遊びができるようにする。

「健康」
(1) 体と食物との関係について関心を持つ。
(2) 自分の排泄の後始末だけでなく、人に迷惑をかけないように便所の使い方が上手になる。
(3) 休息するわけが分かり、運動や食事の後は静かに休む。
(4) 自分で衣服を着脱し、必要に応じて調節する。
(5) 清潔にしておくことが、病気の予防と関係があることが分かり、体や衣服、持ち物などを清潔にする。
(6) 自分や友達の体の異常について、保育士に知らせる。
(7) 生活の中で、危険を招く事態が分かり、気をつけて行動する。
(8) 積極的に外で様々な運動をする。
(9) 様々な運動器具や遊具を使い、友達と一緒に工夫して、遊びを発展させる。
(10) 自分の目標に向かって努力し、積極的に様々な運動をする。

「人間関係」
(1) 保育士や友達などとの安定した関係の中で、意欲的に生活や遊びを楽しむ。
(2) 集団遊びの楽しさが分かり、きまりを作ったり、それを守ったりして遊ぶ。
(3) 進んで自分の希望や意見、立場を主張したり、一方で相手の意見を受け入れたりする。
(4) 友達との生活や遊びの中できまりがあることの大切さに気づく。
(5) 自分で目標を決め、それに向かって友達と協力してやり遂げようとする。
(6) 友達との関わりに中でよいことや悪いことがあることが分かり、判断して行動する。
(7) 共同の遊具や用具を大切にし、譲り合って使う。
(8) 自分より年齢の低い子どもに、自ら進んで声かけをして誘い、いたわって遊ぶ。
(9) 外国の人など自分とは異なる文化をもった様々な人に関心を持ち、知ろうとするようになる。


「環境」
(1) 身近な動植物に親しみ、いたわったり、進んで世話をしたりする。
(2) 自然事象の性質や変化、大きさ、美しさ、不思議さなどに関心を深める。
(3) 身近な公共施設などの役割に興味や関心を持つ。
(4) 保育所や地域でみんなが使うものを大切にする。
(5) 大人が仕事をすることの意味が分かり、工夫して手伝いなどをするようになる。
(6) 季節により人間の生活に変化のあることに気づく。
(7) 季節により自然に変化があることが分かり、それについて理解する。
(8) 自然や身近な事物・事象に関心を持ち、それらを取り入れて遊ぶ。
(9) 日常生活に必要な用具、器具などに興味や関心を持ち、安全に扱う。
(10) 身近にある事物の働きや仕組み、性質に興味や関心を持ち、考えたり、試したり、工夫したりして使おうとする。
(11) 身近なものを整頓する。
(12) 日常生活の中で簡単な数を数えたり、順番を理解する。
(13) 日常生活の中で数や量の多少は、形に関わりがないことを理解する。
(14) 身近にある標識や文字、記号などに関心を示す。
(15) 身の回りの物には形や位置などがあることに関心を持つ。
(16) 生活や遊びの中で時刻、時間などに関心を持つ。
(17) 保育所内外の行事に進んで参加し、自分なりの役割を果たす。
(18) 祝祭日などに関心を持ち生活に取り入れて遊ぶ。

「言葉」
(1) 日常のあいさつ、伝言、質問、応答、報告が上手になる。
(2) 身近な事物や事象について話したり、日常生活に必要な言葉を適切に使う。
(3) みんなで共通の話題について話し合うことを楽しむ。
(4) 話し相手や場面の違いにより、使う言葉や話し方が違うことに気づく。
(5) 人の話を注意して聞き、相手に分かるように話す。
(6) 童話や詩などの中の言葉の面白さ、美しさに気づき、自ら使って楽しむ。
(7) 絵本や物語などに親しみ、内容に興味を持ち、様々に想像して楽しむ。
(8) 身近にある文字や記号などに興味や関心を持ち、それを使おうとする。

「表現」
(1) 様々な音、形、色、手ざわり、動きなどに気づき、感動したこと、発見したことなどを創造的に表現する。
(2) 音楽に親しみ、みんなと一緒に聴いたり、歌ったり、踊ったり、楽器を弾いたりして、音色やリズムの楽しさを味わう。
(3) 様々な素材や用具を適切に使い、経験したり、想像したことを、創造的に描いたり、作ったりする。
(4) 身近な生活に使う簡単な物や、遊びに使う物を工夫して作って楽しむ。
(5) 協力し合って、友達と一緒に描いたり、作ったりすることを楽しむ。
(6) 感じたこと、想像したことを、言葉や体、音楽、造形などで自由な方法で、様々な表現を楽しむ。
(7) 自分や友達の表現したものを互いに聞かせ合ったり、見せ合ったりして楽しむ。
(8) 身近にある美しいものを見て、身の回りを美しくしようとする気持ちを持つ。


5 配慮事項
[基礎的事項]
(1) 一人一人の子どもの平常の状態を把握し、異常に気づいたら優しく問いかけをして、子どもがその状態を話すことができるように配慮するとともに、必要に応じて、適切な対処をする。
(2) 施設内の採光、換気、保温、清潔など環境保健に配慮する。
(3) 子どもの気持ちを温かく受容し、保育所生活を十分に楽しめるよう、子どもが安定し、かつ自己を十分に発揮して活動できるように配慮する。

「健康」
(1) 健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や態度を身につけることの大切さを理解し、適切な行動を選択することができるように配慮する。
(2) 様々な運動に取り組み、成就の喜びや自信を持つことができるように配慮する。
(3) 子どもの生活や経験と遊離した特定の運動や無理な技能の修得に偏らないように配慮する。

「人間関係」
(1) 様々な人の存在に気づき、人に役立つことの喜びを感じることができるように配慮する。
(2) 身近に住んでいる様々な人と交流し、共感し合う体験を通して人と関わることの楽しさや大切さを味わうことができるように配慮する。
(3) 周りにいる人たちがすべてかけがえのない存在であり、一人一人を尊重しなければならないことに気づくように配慮する。

「環境」
(1) 動植物との触れ合いや飼育・栽培などを通して、自分たちの生活との関わりに気づき、感謝の気持ちや生命を尊重する心が育つようにする。
(2) 大人の仕事の意味が分かり、手伝いなどを積極的に保育に組み入れるように配慮する。
(3) 社会や自然の事象を直接的に体験できるようにし、必要に応じて視聴覚教材などを活用して、身近な事象をより確かに理解できるように配慮する。
(4) 飼育・栽培を通して、生命を育む自然の摂理の偉大さに畏敬の念を持つように配慮する。
(5) 生活や遊びの中で、様々な事物と具体的な体験を通して、数、量、形、位置、時間などについての感覚が、無理なく養われるように配慮する。

「言葉」
(1) 生活や遊びの中で、言葉の充実を図り、言葉を使って思考することや自分の考えを伝え合う喜びを味わえるようにし、言葉に対する関心が高まるように配慮する。
(2) 本を見ることや身近な様々な文字を読む喜びを大切にし、言葉の感覚が豊かになるように配慮する。
(3) 子どもが、自分の伝えたいことがしっかり相手に伝わる喜びを味わうため、人前で話す機会や場面をできるだけ多く用意する。

「表現」
(1) 表現しようと思うもののイメージが豊かに湧くような雰囲気をつくり、様々な材料や用具を適切に使えるようにしながら、表現する喜びを味わえるように配慮する。
(2) 子ども同士が一緒に活動する場合は、お互いに相手の立場を認め合いながら、協力し合って表現することの喜びを感じることができるように配慮する。
(3) 表現しようとする気持ちを大切にし、生活や経験、能力と遊離した特定の技能の修得に偏らないように配慮する。



第11章 保育の計画作成上の留意事項
保育の計画作成に当たっての留意事項をあげれば、次のようになる。


1 保育計画と指導計画
 保育所では、入所している子どもの生活全体を通じて、第1章に示す保育の目標が達成されるように、全体的な「保育計画」と具体的な「指導計画」とから成る「保育の計画」を作成する。
 このような「保育の計画」は、すべての子どもが、入所している間、常に適切な養護と教育を受け、安定した生活を送り、充実した活動ができるように柔軟で、発展的なものとし、また、一貫性のあるものとなるように配慮することが重要である。
 保育計画は、第3章から第10章に示すねらいと内容を基に、地域の実態、子どもの発達、家庭状況や保護者の意向、保育時間などを考慮して作成する。
 また、指導計画はこの保育計画に基づき、子どもの状況を考慮して、乳幼児期にふさわしい生活の中で、一人一人の子どもに必要な体験が得られる保育が展開されるように具体的に作成する。


2 長期的指導計画と短期的指導計画の作成
(1) 各保育所では、子どもの生活や発達を見通した年、期、月など長期的な指導計画と、それと関連しながらより具体的な子どもの生活に即した、週、日などの短期的な指導計画を作成して、保育が適切に展開されるようにすること。
(2) 指導計画は、子どもの個人差に即して保育できるように作成すること。
(3) 保育の内容を指導計画に盛り込むに当たっては、長期的な見通しを持って、子どもの生活にふさわしい具体的なねらいと内容を明確に設定し、適切な環境を構成することなどにより、活動が展開できるようにすること。
ア 具体的なねらい及び内容は、保育所での生活における乳幼児の発達の過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮して、子どもの実態に応じて設定すること。
イ 環境を構成するに当たっては、子どもの生活する姿や発想などを大切にして、具体的なねらいを達成するために適切に構成し、子どもが主体的に活動を展開していくことができるようにすること。
ウ 子どもの行う具体的な活動は、生活の流れの中で様々に変化することに留意して、子どもが望ましい方向に向かって自ら活動を展開できるように必要な援助をすること。
(4) 1日の大半を保育所で生活する子どもの行動は、個人、グループ、組全体など多様に展開されるが、いずれの場合も保育所全体の職員による協力体制の下に、一人一人の子どもの興味や欲求を十分満足させるように適切に援助する。
(5) 子どもの主体的な活動を促すためには、保育士が多様な関わりを持つことが重要であることを踏まえ、子どもの情緒の安定や発達に必要な豊かな体験が得られるように援助を行うこと。
(6) 長期的な指導計画の作成に当たっては、年齢、保育年数の違いなど組の編成の特質に即して、一人一人の子どもが順調な発達を続けていけるようにするとともに、季節や地域の行事などを考慮して、子どもの生活に変化と潤いを持たせるように配慮すること。
なお、各種の行事については、子どもが楽しく参加でき、生活経験が豊かなものになるように、日常の保育との調和のとれた計画を作成して実施すること。
(7) 短期の指導計画の作成に当たっては、長期的な指導計画の具体化を図るとともに、その時期の子どもの実態や生活に即した保育が柔軟に展開されるようにすること。その際、日課との関連では、1日の生活の流れの中に子どもの活動が調和的に組み込まれるようにすること。

3 3歳未満児の指導計画
 3歳未満児については、子どもの個人差に即して保育できるように作成し、第3章から第6章に示された事項を基に一人一人の子どもの生育歴、心身の発達及び活動の実態などに即して、個別的な計画を立てるなど必要な配慮をすること。特に、1日24時間の生活が連続性を持って送れるように、職員の協力体制の中で、家庭との連携を密にし、生活のリズムや保健、安全面に十分配慮すること。


4 3歳以上児の指導計画
 3歳以上児については、第7章から第10章までに示す事項を基に、具体的なねらいと内容を適切に指導計画に組み込むこと。
 組など集団生活での計画が中心となるが、一人一人の子どもが自己を発揮し、主体的に活動ができるように配慮すること。


5 異年齢の編成による保育
 異年齢で編成される組やグループで保育を行う場合の指導計画作成に当たっては、一人一人の子どもの生活や経験などを把握し、適切な環境構成や援助などができるよう十分に配慮すること。


6 職員の協力体制
 所長、主任保育士、組を担当する保育士、また調理担当職員など保育所全体の職員が協力体制を作り、適切な役割分担をして保育に取り組めるようにする。


7 家庭や地域社会との連携
 保育は家庭や地域社会と連携して展開されることが望ましいので、指導計画の作成に当たっては、この点に十分に配慮をすること。その際、地域の自然、人材、行事や公共施設などを積極的に活用し、子どもが豊かな生活体験ができるように工夫すること。


8 小学校との関係
 小学校との関係については、子どもの連続的な発達などを考慮して、互いに理解を深めるようにするとともに、子どもが入学に向かって期待感を持ち、自信と積極性を持って生活できるように指導計画の作成に当たってもこの点に配慮すること。


9 障害のある子どもの保育
 障害のある子どもに対する保育については、一人一人の子どもの発達や障害の状態を把握し、指導計画の中に位置づけて、適切な環境の下で他の子どもとの生活を通して、両者が共に健全な発達が図られるように努めること。
 この際、保育の展開に当たっては、その子どもの発達の状況や日々の状態によっては指導計画にとらわれず、柔軟に保育することや職員の連携体制の中で個別の関わりが十分とれるようにすること。また、家庭との連携を密にし、親の思いを受け止め、必要に応じて専門機関からの助言を受けるなど適切に対応すること。


10 長時間にわたる保育
 長時間にわたる保育については、子どもの年齢、生活のリズムや心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法、職員の協力体制、家庭との連携などを指導計画に位置づけて行うようにする。


11 地域活動など特別事業
 地域活動など特別事業を行う場合は、実施の趣旨を全職員が理解し、日常の保育との関連の中で、子どもの生活に負担がないように、保育計画及び指導計画の中に盛り込んでいくこと。


12 指導計画の評価・改善
 指導計画は、それに基づいて行われた保育の過程を、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して反省、評価し、その改善に努めること。




第12章 健康・安全に関する留意事項

 保育所の保育においては、子どもの健康と安全は極めて重要な事項であり、一人一人の子どもに応じて健康・安全に留意するとともに、全体の子どもの健康を保持し、安全を守るように心掛けることが大切である。そのためには、一人一人の子どもの心身の状態や発育・発達状態を把握し、第1章総則及び第3章から第10章の各年齢別のねらい及び内容の中で関連する事項に留意するとともに、以下に示す留意事項に基づき、日々健康で安全な保育を目指すよう努めることが必要である。



1 日常の保育における保健活動
(1)子どもの健康状態の把握
ア 子どもの心身の状態に応じた保育を行うためには、子どもの状態を十分に把握しておくことが望ましい。それには、嘱託医の指導の下、保護者からの情報とともに、母子健康手帳等も活用して、適切に把握するように努める。この場合、守秘義務の徹底を図らなければならない。
イ 登所時において、子どもの健康状態を観察するとともに、保護者から子どもの状態について報告を受けるようにする。また、保育中は子どもの状態を観察し、何らかの異常が発見された場合には、保護者に連絡するとともに、嘱託医やその子どものかかりつけの医師などと相談するなど、適切な処置を講ずる。
ウ 子どもの身体を観察するときに、不自然な傷、やけど、身体や下着の汚れ具合等を併せて観察し、身体的虐待や不適切な養育の発見に努める。


(2)発育・発達状態の把握
 子どもの発育・発達状態の把握は、保育の方針の決定や子どもの健康状態を理解する上で必要であるので、体重、身長、頭囲、胸囲などの計測を定期的に行うとともに、バランスのとれた発育に配慮する。また、必要に応じて、精神や運動の機能の発達状態を把握することが望ましい。


(3)授乳・食事
ア 乳幼児期の食事は、生涯の健康にも関係し、順調な発育・発達に欠くことができない重要なものであり、一人一人の子どもの状態に応じて摂取法や摂取量などが考慮される必要がある。
イ 調乳は、手を清潔に洗った後、消毒した哺乳瓶、乳首を用い、一人一人の子どもに応じた分量で行う。
ウ 授乳は、必ず抱いて、子どもの楽な姿勢で行う。一人一人の子どもの哺乳量を考慮して授乳し、哺乳後は必ず排気させ、吐乳を防ぐ。また、授乳後もその他の体の状態に注意する。
エ 母乳育児を希望する保護者のために、冷凍母乳による栄養法などの配慮を行う。冷凍母乳による授乳を行うときには、十分に清潔で衛生的な処置が必要である。
オ 子どもの発育・発達状態に応じて、ほぼ5か月頃より離乳を開始する。離乳の進行に当たっては、一人一人の子どもの発育・発達状態、食べ方や健康状態を配慮するとともに、次第に食品の種類や献立を豊富にし、栄養のバランスにも気をつける。その際、嘱託医などにも相談し、家庭との連絡を十分に行うことが望ましい。
カ 栄養源の大部分が乳汁以外の食品で摂取できるようになるほぼ1歳から1歳3か月を目安に、遅くとも1歳6か月までに離乳を完了させ、徐々に幼児食に移行させる。また、飲料として牛乳を与える場合には、1歳以降が望ましい。
キ 離乳食を始め、子どもの食事の調理は、清潔を保つように十分注意するとともに、子どもの発育・発達や食欲、さらに咀嚼や嚥下の機能の発達に応じて食品の種類、量、大きさ、固さを増し、将来のよい食習慣の基礎を養うように心がける。
また、保育所での食事の状況について、家庭と連絡をとることが大切である。離乳食、幼児食などを与えた際、嘔吐、下痢、発疹などの体の状態の変化を常に観察し、異常が見られたときには、安易な食事制限などは行わず、保護者や嘱託医などと相談して、食事について必要な処置を行う。さらに、食事を与えるときには、その子どもの食欲に応じて、無理強いしないように注意する。


(4)排泄
ア 排尿・排便の回数や性状は健康状態を把握する指標となるので、 その変化に留意する。その際、家庭と密接な連携をとることが望ましい。
イ 発達状態に応じて、排泄の自立のための働きかけを行うが、無理 なしつけは自立を遅らせたり、精神保健上も好ましくないので、自立を急がせないように留意する。


(5)健康習慣・休養・体力づくり
ア 虫歯の予防に努めるとともに、虫歯予防に関心を持たせる。
イ 歯ブラシ、コップ、タオル、ハンカチなどは、一人一人の子どものものを準備する。
ウ 季節や活動状況に応じて、子どもの疲労に注意して、適切な休養がとれるように配慮する。また、休養の方法は、一人一人の子どもに適したものとし、必ずしも午睡に限定することなく、心身の安静が保てるような環境の設定に配慮する。
エ 午睡の時には、一人一人の子どもの状態に応じて、寝つきや睡眠中及び起床時の状態を、適宜観察するなどの配慮をする。
オ 子どもは、一人一人の状況に応じた健康の維持増進が必要であり、保育の中で積極的に体力づくりを導入するように配慮する。体力づくりは、一人一人の子どもの状態、季節・気候に応じてその項目・程度を決めて安全に注意して実施する。


2 健康診断
(1) 子どもの健康状態の把握のため、嘱託医などにより定期的に健康診断を行う。また、子どもの日常の健康状態を適切に把握するためには、保育士の日頃の観察が必要であるとともに、保護者との密接な連携が必要である。
(2) 入所に際しては、事前に一人一人の健康状態や疾病異常などの把握ができるように留意する。
(3) 診察、計測、検査、子どもの健康状態や発育・発達状態、疾病異常の有無の把握などについては、嘱託医と話し合いながら実施し、年月齢に応じた項目を考慮する。
また、精神保健上の問題などについても把握できるようにする。
(4) 健康診断などの結果を記録し、保育に活用するように努めるとともに、家庭に連絡し、保護者が子どもの状態を理解できるようにする。さらに、必要に応じて、嘱託医などによる保護者に対する相談指導を行う。
(5) 診察、計測、検査などの結果については、母子健康手帳を有効に活用し、市町村や保健所が実施する健康診査、保健指導などの保健活動と相互に連携する上で役立てるようにする。
(6) 結果に応じて市町村や保健所、医療機関と連携をとり、必要によっては協力を求める。


3 予防接種
(1) 予防接種は、子どもの感染症予防上欠くことのできないものであり、一人一人のかかりつけの医師や嘱託医の指導の下に、できるだけ標準的な接種年齢の内に接種を受けるように保護者に勧める。
(2) 子どもが個々に予防接種を実施した場合は、保育所に連絡するように指導する。
また、接種後は子どもの状態を観察するように努める。

4 疾病異常等に関する対応
(1)感染症
ア 保育中に、感染症の疑いのある病気の子どもを発見したときは、嘱託医に相談して指示を受けるとともに、保護者との連絡を密にし、必要な処置をする。
イ 保育所で、感染症の発生が分かったときには、嘱託医の指導の下に、他の保護者にも連絡をとる。感染症にかかった子どもについては、嘱託医やかかりつけの医師の指示に従うように保護者の協力を求める。特に、いわゆる学校伝染病として定められている病気にかかった子どもが保育所に再び通い始める時期は、その出席停止期間を基本とし、子どもの回復状態に応じて、他の子どもへの感染の防止が図られるよう、嘱託医やかかりつけの医師などの意見を踏まえて、保護者に指導する。また、学校伝染病に定められていない感染症については、嘱託医などの指示に従う。

(2)病気の子どもの保育
ア 地域内に乳幼児健康支援一時預かり事業などの実施施設があるときには、保護者にその利用についての情報提供に努める。
イ 保育中に体調が悪くなった子どもについては、嘱託医などに相談して、適切な処置が行えるように配慮しておくことが望ましい。

(3)救急処置
 不時の事態に備え、必要な救急用の薬品、材料を整備するとともに、救急処置の意義を正しく理解し、保育士としての処置を熟知するように努める。

(4)慢性疾患
 日常における投薬、処置については、その子どもの主治医又は嘱託医の指示に従うとともに、保護者や主治医との連携を密にするように努める。また、対象となる子どもに対する扱いが特別なものとならないように配慮し、他の子ども又は保護者に対しても、病気を正しく理解できるように留意する。

(5)乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防
ア 乳幼児期、特に生後6か月未満の乳児の重大な死亡の原因として、それまで元気であった子どもが何の前ぶれもなく睡眠中に死亡する乳幼児突然死症候群があり、保育中にも十分留意する必要がある。
イ この予防には、その危険要因をできるだけ少なくすることが重要であり、特に、寝返りのできない乳児を寝かせる場合には、仰向けに寝かす。また、睡眠中の子どもの顔色、呼吸の状態をきめ細かく観察するように心がける。また、保護者に対しても、SIDSに関する情報の提供を徹底するとともに、予防に努めるように指導することが望ましい。
ウ 保育所職員や保護者は、保育室での禁煙を厳守する。

(6)アトピー性皮膚炎対策
ア アトピー性皮膚炎が疑われるときには、その対応については、必ず嘱託医などの診断を受け、その指示に従うことを原則とするとともに、家庭との連絡を密にし、その対応に相違がないように十分に心がけるようにする。
イ 食物によると思われるときにも、原因となるアレルゲンの種類が多いので、安易な食事制限やみだりに除去食を提供せず、必ず嘱託医などの指示を受けるようにする。
ウ 皮膚を清潔にすることが大切であり、保育中も皮膚を清潔に保つように努めることが望ましく、特に、使用する洗剤等については、嘱託医などに相談して用いるようにする。
エ 戸外遊び、衣服の素材によっては、症状が増悪することもあるので、嘱託医などに相談して用いるようにする。
オ 痒さが強いときには、安易に軟膏を塗布するのではなく、嘱託医などに相談することが望ましい。


5 保育の環境保健
(1) 各部屋の温度、湿度、換気、採光等に十分注意し、保育上の安全にも十分に配慮する。子どものベッド、寝具類は、いつも清潔を保つように心がける。
(2) 園庭や砂場は清潔で安全な状態を保つように配慮する。また、動物小屋はできるだけ清潔が保てるように配慮し、動物による事故の防止に注意する。


6 事故防止・安全指導
(1) 子どもは、その発達上の特性から事故の発生が多く、それによる傷害は子どもの心身に多くの影響を及ぼす。事故防止は保育の大きな目標であることを認識する必要がある。
保育士は子どもの事故発生についての知識を持つとともに、保護者に対しても子どもの事故について認識を深めるための協力を求める。
(2) 子どもの発達に合わせた安全指導の必要性を認識し、適宜その実施に努める。
また、交通事故の防止に配慮し、家庭、地域の諸機関との協力の下に、交通安全のための指導を実施する。
(3) 災害時に備えて職員その他の人達による組織づくりを行い、その役割分担などを認識する。
子どもに対しては、その発達に応じて避難訓練の目的、意義を理解させ、訓練に参加させる。
保育士は避難訓練の意義を理解し、それを積極的に行い、必要な機材、用具などの使用法を熟知しておく。また、地域住民にも参加を求めるなどの配慮をする。
(4) 子どもの通所は、保護者が責任を持って行うことを原則とし、責任ある人以外の人に子どもを同行させないようにする。
また、随時一人一人の子どもの確認を行うように努める。


7 虐待などへの対応
(1) 虐待の疑いのある子どもの早期発見と子どもやその家族に対する適切な対応は、子どもの生命の危険、心身の障害の発生の防止につながる重要な保育活動と言える。
ア 虐待の保育現場における早期発見は、登所時や保育活動中のあらゆる機会に可能であるので、子どもの心身の状態や家族の態度などに十分に注意して観察や情報の収集に努める。
イ 虐待が疑われる子どもでは、次のような心身の状態が認められることがある。発育障害や栄養障害、体に不自然な傷・皮下出血・骨折・やけどなどの所見、脅えた表情・暗い表情・極端に落ち着きがない・激しい癇癪・笑いが少ない・泣きやすいなどの情緒面の問題、言語の遅れが見られるなどの発達の障害、言葉が少ない・多動・不活発・乱暴で攻撃的な行動、衣服の着脱を嫌う、食欲不振・極端な偏食・拒食・過食などの食事上の問題が認められることもある。
ウ 理由のない欠席や登所時刻が不規則なことが多い、不潔な体や下着、病気や傷の治療を受けた気配がない等の不適切な養育態度が認められることもある。
エ 家族の態度としては、子どものことについて話したがらない、子どもの身体所見について説明が不十分であったり、子どものことに否定的な態度を示すなど、子どもを可愛がる態度が見受けられず、必要以上にしつけが厳しく、またはよく叱ることがある。

(2) 虐待が疑われる場合には、子どもの保護とともに、家族の養育態度の改善を図ることに努める。この場合、一人の保育士や保育所単独で対応することが困難なこともあり、嘱託医、地域の児童相談所、福祉事務所、児童委員、保健所や市町村の保健センターなどの関係機関との連携を図ることが必要である。


8 乳児保育についての配慮
 乳児期の初期は、まだ、出生前や出生時の影響が残っていることがあったり、心身の未熟性が強いので、乳児の心身の状態に応じた保育が行えるように、きめ細かな配慮が必要である。
 乳児は、疾病に対する抵抗力が弱く、また、かかった場合にも容易に重症に陥ることもある。特に、感染症にかかりやすく、さらに心身の未熟に伴う疾病異常の発生も多い。そのために、一人一人の発育・発達状態、健康状態の適切な判断に基づく保健的な対応と保育が必要である。保健婦、看護婦が配置されている場合には、十分な協力と綿密な連携の下に、嘱託医の指導によって適切な保育の計画を立て、毎日の保育を実践するとともに、乳児の日常生活や感染予防についての保護者の相談にも応ずることが望ましい。


9 家庭、地域との連携
(1) 保育所における子どもの生活、健康状態、事故の発生などについて、家庭と密接な連絡ができるように体制を整えておく。
また、保護者がこれらの情報を保育所に伝えるように協力を求める。
(2) 保育所は、日常、地域の医療・保健関係機関、福祉関係機関などと十分な連携をとるように努める。
また、保育士は、保護者に対して、子どもを対象とした地域の保健活動に積極的に参加することを指導するとともに、地域の保健福祉に関する情報の把握に努める。




第13章 保育所における子育て支援及び職員の研修など

 今日、社会、地域から求められている保育所の機能や役割は、保育所の通常業務である保育の充実に加え、さらに一層広がりつつある。通常業務である保育においては、障害児保育、延長保育、夜間保育などの充実が求められている。また地域においては、子育て家庭における保護者の子育て負担や不安・孤立感の増加など、養育機能の変化に伴う子育て支援が求められている。
 地域において最も身近な児童福祉施設であり、子育ての知識、経験、技術を蓄積している保育所が、通常業務に加えて、地域における子育て支援の役割を総合的かつ積極的に担うことは、保育所の重要な役割である。
 さらに、保育や子育て支援の質を常に向上させるため、保育所における職員研修や自己研鑽などについて、不断に努めることが重要である。
 このため、前章までの関連事項に留意するとともに、以下に示す留意事項に基づき、保育や地域子育て支援などの充実に努めることが必要である。


1 入所児童の多様な保育ニーズへの対応
(1)障害のある子どもの保育
 障害のある子どもの保育に当たっては、一人一人の障害の種類、程度に応じた保育ができるように配慮し、家庭、主治医や専門機関との連携を密にするとともに、必要に応じて専門機関からの助言を受けるなど適切に対応する。
 また、地域の障害のある子どもを受け入れる教育機関等との連携を図り、教育相談や助言を得たり、障害のある幼児・児童との交流の機会を設けるよう配慮する。なお、他の子どもや保護者に対して、障害に関する正しい認識ができるように指導する。
 さらに、保育所に入所している障害のある子どものために必要とされる場合には、障害児通園施設などへの通所について考慮し、両者の適切な連携を図る。

(2)延長保育、夜間保育など
 保育時間の延長、夜間に及ぶ保育あるいは地域活動などについては、基本的には通常の保育の計画に基づき進めるものであるが、それぞれの事業内容の特性及び地域環境や保育所の実状などを十分に配慮し、柔軟な対応を図る。
 延長、夜間に及ぶ保育に当たっては、子どもの年齢、健康状態、生活習慣、生活リズム及び情緒の安定を配慮した保育を行うように特に留意する。
 また、保護者と密接に協力して、子どもにとって豊かで安定した家庭養育が図られるように支援する。

(3)特別な配慮を必要とする子どもと保護者への対応
 保育所に入所している子どもに、虐待などが疑われる状況が見られる場合には、保育所長及び関係職員間で十分に事例検討を行い、支援的環境の下で必要な助言を行う。
 また、子どもの権利侵害に関わる重大な兆候や事実が明らかに見られる場合には、迅速に児童相談所など関係機関に連絡し、連携して援助に当たる。保護者への援助に当たっては、育児負担の軽減など保護者の子育てを支援する姿勢を維持するとともに、その心理的社会的背景の理解にも努めることが重要である。

2 地域における子育て支援
(1)一時保育
 保育所における一時保育は、子育て支援の一環として行うものであり、その意義及び必要性について保育所全体の共通理解を得て、積極的に取り組むように努める。
 一時保育の実施に当たっては、市町村の保育担当部局と緊密な連携をとりつつ、地域の一時保育ニーズを把握し、それに基づいて実施すること。
 一時保育における子どもの集団構成は、定型的、継続的な通常保育の集団構成と異なることから、一人一人の子どもの心身の状態、保育場面への適応状況などを考慮して保育するとともに、通常保育との必要な関連性を配慮しつつ柔軟な保育を行うように努める。
 なお、保育中のけがや事故に十分配慮するとともに、事故責任への対応を明確にしておくことが必要である。

(2)地域活動事業
 保育所における地域活動事業は、保育所が地域に開かれた児童福祉施設として、日常の保育を通じて蓄積された子育ての知識、経験、技術を活用し、また保育所の場を活用して、子どもの健全育成及び子育て家庭の支援を図るものである。このため、保育所は、通常業務に支障を及ぼさないよう配慮を行いつつ、積極的に地域活動に取り組むように努める。
 地域活動は、市町村の保育担当部局や他の保育所など関係施設や機関とも密接な連携をとりつつ、地域における子育てニーズを把握し、それに基づいて実施する。その内容は、多岐にわたるが、地域のニーズや重要性に応じ、並びに個々の保育所の実状や状況に応じて、適切に計画し、実施する。

(3)乳幼児の保育に関する相談・助言
 保育所における乳幼児の保育に関する相談・助言は、保育に関する専門性を有する地域に最も密着した児童福祉施設として果たすべき役割であり、通常業務に支障を及ぼさないよう配慮を行いつつ、積極的に相談に応じ、及び助言を行うことが求められる。
 相談・助言は、様々な機会をとらえて行い、日頃から利用者が安心して悩みを打ち明けられるような環境、態度に心がけることが必要である。
 相談・助言に当たっては、利用者の話を傾聴し、受容し、相互信頼関係の確立を基本として、一人一人のニーズに沿って利用者の自己決定を尊重するなど、相談の基本原理に基づいて行うことが求められる。また、プライバシーの保護、話された事がらの秘密保持には、特に留意しなければならない。
 助言等を行うに当たっては、必要に応じ嘱託医などの意見を求めるなど、保育所における相談の限界についても熟知する。また、子どもへの虐待が疑われるような場合には、児童相談所などに連絡し、連携して援助に当たる。
 また、他の専門機関との連携を密にし、必要に応じて紹介・斡旋を行う。その場合には、原則として利用者の了解を得るなど、その意向を尊重する姿勢が求められる。
 相談・助言の内容については、必ず記録に残し、保育所内の関係職員間で事例検討を行い、必要に応じ専門機関の助言などが得られる体制を整えておくことが必要である。

3 職員の研修等
 保育所に求められる質の高い保育や入所児童の多様な保育ニーズへの対応並びに子育て支援等のサービスは、職員の日常の自己学習や保育活動での経験及び研修を通じて深められた知識、技術並びに人間性が実践に反映されることにより確保できるものである。
 そのためには、所長及びすべての職員が保育やその他の諸活動を通じて、知見と人間性を深め、保育の知識、技術及び施設運営の質を高めるよう、常に自己研鑽に努めることが必要である。
 保育所では、所長はじめ職員全員が研修の意義及び必要性について共通理解を持ち、職員が研修に積極的かつ主体的に参画できるような環境づくりに心がけ、職員の資質の向上を図り、また、職員、所長及び保育所自身の自己評価を不断に行うことが求められる。
 所内研修、派遣研修は、保育所の職員体制、全体的業務などに留意して、体系的、計画的に実施する。また、自己評価は職種別あるいは保育所全体で個々に主体的かつ定期的に実施する。

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